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 2012年 山歩きの記録                        yamayama.s.
 10月14日 七倉より蓮華岳 (2799b)          

船窪乗越より不動岳方向

針ノ木峠直下

針ノ木峠より 七倉岳と船窪岳の奥に槍ガ岳

蓮華岳山頂へ

蓮華岳山頂より針ノ木岳方向

蓮華岳より雪渓残る剣岳

蓮華の大下り 中間辺り

船窪小屋 左手には餓鬼岳と唐沢岳

七倉尾根と七倉山荘

【日程】 10月14日 天候:晴れ
【山域】 蓮華岳 (2799b)
【ルート】 七倉尾根→船窪乗越→蓮華岳→七倉岳→戻り
【行動時間】 13時間25分 累積標高差約3050b
        移動距離約21`

 黒部湖から沢沿いに辿り稜線に至る針の木谷古道と言われる登山道があるが、今まで歩いた事は無く以前から気になっていた。整備状況を調べてみると、最近は通過に問題の無い程度に整備されている模様なので、蓮華岳と合わせて周回の計画で出かけて見る事にした。

 蓮華岳から七倉岳間が後立山連峰の山域に入るかは微妙な位置関係とも言われるせいか、訪れる登山者も少ないと聞く山域。蓮華岳から七倉岳間は整備状況があまり宜しく無いとの登山者情報もあり、針ノ木古道と合わせて七倉から日帰りでトレースするには時間的な不安定要素もあり、やや気がかり。


 七倉尾根登山口より歩き出す、2時15分。烏帽子岳を目指した05年以来となる七倉尾根。道は沢沿いに進んで間もなく急傾斜の登りが始まる。大きくジグを切りながらの暗い森の中の道は単調ながら総じて歩きやすい印象。薄いフリースを着ていてもさほど暑さは感じない程度で、気温は5度。

 尾根に出ると風があり、汗もかかずに快適な道のり。木の根と岩が絡む道は暗いせいか迷路の様にも感じる。だいぶ高度を上げた感じでも、時おり樹間から登山口やダムの外灯が見える時もある。見上げる星空が明るい。鼻突八丁の表示がある辺りから木の根が絡む急坂が続き木製の梯子が現れる。次第に木々の背が低くなり天狗の庭に出ると展望が広がる。星明りに照らされた黒い山並みが浮かぶ。

 東の空が明るくなる頃に船窪小屋着、5時10分。今季の営業を終えた小屋前を通過して船窪乗越方向へと行くと急坂の下降が始まる。テン場に下る鉄製の梯子が白く凍みついているので慎重に下降。その先の稜線上の崩壊が進む道は新しく付け替えられていた。船窪乗越の分岐を折れて針ノ木谷へと進行。少し巻き上がるように尾根に上がってから下り始める。思ったよりは歩きやすい道を尾根通しに進行。

 針ノ木谷出合、6時30分。平凡な感じの沢底で腰を下ろして一休み。谷筋には寒気が残っているのか空気は冷たく、休んでいると寒いくらい。上流の二俣へと歩き出す。要所には目印があり迷う事も無い。沢の水量は少なめなようで、飛び石伝いに簡単に渡る事が可能。二俣からは沢と並行する踏み跡歩きが多くなる傾向。

 振り返ると船窪乗越から下った尾根が正面に確認できる。水線通しに歩いても快適なのだが、水際の石を踏んだら唐突に足が滑り水流に落ちて尻餅。良く見ると濡れている部分は凍っていた。針ノ木岳側の斜面の崩壊が目立つ。2000b辺りから水量も細くなり、やがて涸れ沢になる。道は沢筋を離れ、沢に絡むようにジグを切りながら針ノ木峠へと登り上げて行く。

 沢源流部の様相になると陽射しが強くなり風も無く、止めどなく流れる汗に疲労感が湧き出る。針ノ木峠、8時50分。人気の無い小屋前のベンチで一休み。一段下に見える船窪乗越の先には一目で判る槍ガ岳が聳え、展望は抜群。反対側の針ノ木雪渓の雪は消え、日影には最近降った残雪が少々。蓮華岳へと歩き出す。北アルプスらしく歩きやすい快適な道を辿り、次第に傾斜が緩んで来て山頂かなと思ったら山頂は更に先だった。

 時期にはコマクサが見事と聞く岩礫の斜面を行くと間もなく祠のある蓮華岳の山頂、9時50分。前回行った五竜岳の奥に見えるピークは白馬岳だろうか。南アルプスから富士山に水晶岳や穂高の山並みの大展望、暫し時間を忘れる。剣岳は八ツ峰を中心に正面から見ているようで面白い図。山頂から東に延びる尾根には明確な踏み跡があった。山腹を巻くような薄い踏み跡は獣のものか‥不明

富士の頭

蓮華の大下り辺り

 蓮華の大下りと言われる岩礫の斜面を快適に下る。傾斜が増して来ると尾根上の岩峰や露岩を巻くように下降。錆びた鎖が頼りない感じでも体重を掛けなければ問題は無い、と思う。浮石があるが、付近に登山者はいないので落石の心配は低い。最後の急斜面を降りると北葛乗越。北葛岳へと少し登ると蓮華の大下りの全容が確認できる。

 急登と緩い斜面の変化がある稜線を辿り北葛岳へ。北葛山頂に着き、蓮華岳やこれから向かう七倉岳の展望を楽しんでから七倉乗越へと下り出す。歩きながら、目前に大きい針ノ木岳の特徴的な山容の変化が飽きない。七倉乗越を通過して七倉岳への登りにかかる。大きな登りはこれで最後なのだが、山頂まで緩急があり終わりそうで終わらない登りが歯がゆい。

 七倉岳山頂、13時5分。蓮華からの縦走コースを目で確認してから船窪小屋へと向かう。細長い山頂稜線から小屋の屋根を確認。登山口の七倉と尾根が良く見える。小屋前のベンチで一休み。やはり予定より遅れている。蓮華岳から七倉岳間のコースは岩稜の雰囲気を楽しむ積りなら静かでお奨めですが、実際は歩く人も少ないコースのようです。

 天狗ノ庭からは高瀬ダムや唐沢岳の眺めが良好。好天に恵まれたが、本日は出合う登山者が皆無だった。木の根の絡む尾根道の下りは結構時間がかかり、思った通りの遅めなコースタイムで登山口へと戻った。七倉登山口、15時40分