トップページ 山スキーの記録 山歩きの記録 ときどき日記 プロフィール
 2011年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 2月19日 吾妻連峰 中吾妻山と西吾妻山

中津川の横断ポイント 900b

中吾妻山頂と山スキーのグループ

沢源頭より中吾妻山頂方向

大倉川1480b右岸で滑降終了

大倉川1500b 右岸の枝沢より巻
中津川1570b横断ポイント

西吾妻山山頂稜線近く


【日程】 2月19日 天候:晴れ
【山域】 吾妻連峰 西吾妻山 (2035b)
【ルート】 グランデコ→中吾妻→谷地平→西吾妻→戻り
【装備】  板:BDドリフト166  金具:TLTスピード
      シール:アセンションSTS 靴:スカルパF1
【データ】 下降高度約1800b 移動距離約24`
       行動時間8時間55分

 前日、グランデコを朝早く出発して東吾妻まで行き、帰路は谷地平から西吾妻へと抜けてグランデコに戻る計画を立てていたのだが、降雨と強風で計画をキャンセルした。 明けて本日の天候は安定している予報なので昨日のリベンジで再度グランデコへと向かった。今日は時間も限られているので東吾妻は割愛でコースは短縮計画。

 グランデコのセンターハウス付近からシールで歩き出す、5時30分。二時間程寝坊してしまったので、予定通りにルートをトレースできるか微妙な雰囲気。スタートからいつものペースより少しピッチを上げてみるが、中ノ沢を渡るポイントが暗い事もありスムーズに行かない。チト焦り気味か。稜線方向は雲に隠れている感じ。

 昨日の降雨と高温で、表面の固くなったモナカ雪の上には浅く新雪が積っている。斜面によってはシールが滑ってしまう所もあり歩きやすくは無い。それでも、深いラッセルよりは歩くペースは当然早い。沢を越して尾根を回り込むと林道の道形に出合う。中津川の取水門まではこの林道を辿る。一部小規模なデブリで道形は埋まってはいるが問題は無い。

 久し振りなので中津川の横断ポイントの気憶も薄れていて取水門まで来て気が付いた、手前の枝沢から下る事を。時間をロスしてしまった。段丘から川岸に降り立つ。思ったより水量は豊富で、良く見るとブリッジは皆途切れていて渡るのに良いポイントが見当たらない。少し下り、昨年渡渉した付近で頼りないブリッジを発見。6時20分、対岸に渡る。

 一息入れてから段丘に上がり目の前の尾根をルートに登り出す。雪質は相変わらずでクトーがあれば効率的だが、クトーは不要と思い車の中に置いてきた。板のエッジを立てるようにして体重をしっかり乗せて歩くのでペースは遅い。1150bで広く平坦な尾根に乗ると風があり心地よい。後は山頂まで樹林の中の単調な歩き。朝日に輝く西吾妻が冬枯れのブナ林越しに見える。

 出だしが遅いので時おりGPSで進路をチェック、なるべく効率の良いルートで山頂を目指したい。気温は尾根に上がってから−13度で一定している。風が弱いので適温に感じる。1600b付近からブナからシラビソへと林相が変わると吾妻らしい雰囲気となる。山頂近くで低く密生する樹林帯にはまってしまう。少し回り込めばスムーズだったと思うが。山頂手前には同方向から複数のスキーの登りトレースがあった。

 8時45分、中吾妻山頂。大きなザックを背負ったグループが下る準備をしていた。議場からの往複の模様。山頂付近にしかトレースが無かったのも不思議だが、おそらく西側にあるニセピークとの鞍部あたりで幕営したかと、想像してみる。時間が無いので挨拶もそこそこに、谷地平方向に落ちる沢へと滑り出す。

 雪は思ったよりは深く快適だったが膝下程度なのでスピードは出る。安全速度で滑降。ファット板のダークサイドに較べて扱いやすい板だ、特にテールのしなり感はソフトでターンが楽。昨年、この沢の1560bまで滑り込んでいる事もあり源頭部のおいしい斜面を通過してから谷地平方向へと斜滑降気味に滑り沢を離れる。

 幾つかの尾根を回り込み平坦な段丘上に出る。更に推進を交えて大倉川へと進行。見覚えのある沢形に阻まれて沢沿いに下ると間もなく大倉川に出合う。大倉川1480b右岸で滑降を終了、9時25分。ここまでは順調。お茶とお菓子でのんびり休憩。陽射しは柔らかく沢音がサラサラと心地よい。

 大分前だが、東大巓から大倉川左岸を滑ったので今回は右岸をルートにしてみよう。大倉深沢の出合いから先は両岸が立って来る。進むと5メートル程の滝があり、これは越せそうも無い。少し戻り枝沢から段丘に上がり、東大巓との鞍部1800bを目指す。沢沿いに進み、一旦尾根を辿ってから鞍部へとトラバース気味に行こうかと思ったが大倉川へと落ちる枝沢が思ったより深く、結局1800b近くまで追い上げられる形で目的の鞍部方向へと。

 源流部の急な斜面のトラバースは更に固い雪質もありペースはダウン。見た目は皆同じ白い雪なのだが、急な変化でいきなりズルっと来る時もある。少し下り下降予定の尾根に出る。青空と白い雲と吾妻のパノラマ、暫し展望を楽しむ。シールの脱着が面倒なのでシールで下るが、西側の斜面は風で雪がうねりモナカ雪。スピードが出るし、スキーのトップがうねりに刺さるので思うように下れない。

 シールを外せば良かったと思う頃、ようやく雪も深くなり滑りやすくなる。後は順調に滑り下れる。前回行ったヤケノママ西側の白い斜面が大きい。末端付近の急だが滑り易い沢を下り中津川1570bの横断ポイントに着いた、11時45分

 沢床には幾つか穴が開いて、覗くと水流が見える。対岸の斜面に取り付く。始めは適度な傾斜もやがて緩く落ちて来ると目指す西吾妻の白い山頂稜線も確認できる。こうなるとGPS無しでも問題ない。越してきた中吾妻方向は流れる雲の中。次第にガスが濃くなってきた。真冬は稜線で吹雪かれるパターンだが、冬型の緩んだ今日は大丈夫だと思う。

 風も無いので良い休憩ポイントで一休み。全般に雪が浅いせいかここまでのコースタイムは順調。なるべく早く下山したいので、ゆっくりしても居られない。少し歩くと雲が流れ去り青空が広がってきた。西吾妻よりも少し低いがピークらしく見える梵天岩。平坦な西吾妻のピークの南側を目標に最後の白い斜面を詰める。西吾妻2030b地点で滑降準備。複数のシュプールが二十日平方向へと下っていた。

 13時45分、滑り出す。始めは雪の固い所もあったが、樹林の中に入れば浅目だが雪は柔らかく結構快適。陽射しがあるので方向感覚は得やすく滑りに集中できる。ほぼ春スキー。平坦な十日平もほぼ推進で通過できた。再度傾斜が出てきた辺りで先行のグループが休んでいた。

 いつものルートで中ノ沢を渡り対岸に上がる。最近は目印も付けられてツアーコースのようになりつつあるこの頃、スキー場を滑るボーダーが入り込んで来る時もある。雪は深く無いので楽に移動できる。ゲレンデに出て圧雪の滑りを楽しんでいると間もなくゴンドラ乗り場前に出て終了、14時25分