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 2011年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 2月5日 安達太良連峰 箕輪山 北東斜面

箕輪山山頂の標

北東斜面1400bの樹林帯へ逃げ込む

高森川左岸から箕輪スキー場の廃コース

横向温泉とゲレンデ


【日程】 2月5日 天候:曇り
【山域】 安達太良連峰 箕輪山 (1728b)
【ルート】 箕輪スキー場→箕輪山→北東斜面→スキー場戻り
【装備】  板:BDドリフト166  金具:TLTスピード
      シール:アセンションSTS 靴:スカルパF1
【データ】 下降高度約760b 移動距離約6.5`
       行動時間2時間40分

 天気予報では標高の低い山は雨の可能性がある。ある程度の標高もあり天候の崩れが少ないと思われる箕輪山の周回ルートで考えてみた。オープンスロープが魅力の箕輪山北東斜面と、解放的な鉄山西尾根の対比が印象的な安達太良を代表する好ルートに期待感。

 箕輪スキー場のAとBリフトを乗り継いでゲレンデトップから歩き出す、10時25分。麓から見た箕輪山には山頂付近に雲がかかっていたが、スキー場に着いてみると風が強めで視界も良くなかった。シュカブラの発達した雪面は固いので始めからクトーを装着。吹き上げる風に押されるように高度を上げ、山頂へ。

 山装備のボーダーとスキーヤーも後から追ってくるが、少し離れると姿は見えない。風に叩かれたデコボコ雪面の歩き。ピークまでは200bと少しの登りなのでGPSの確認も無く進行。

 見覚えのある山頂手前の大岩らしき物を確認。GPSを見ると確かに山頂付近を示している。風を避けようと、やや巻き気味に移動して北東斜面エントリーポイントへと移動。風向きが変わり違和感があったが、少しずつ高度を下げてるせいさと自己納得。

 大分歩いた感じだが、GPS画面上は相変わらず山頂付近を示している。何か変だ?。山頂手前のエビの尻尾に覆われた大岩の横を通過すると間もなく、雪が張り付いた山頂の標柱があった。 自宅に戻りパソコンで軌跡を確認したら、なだらかな山頂を見事に一周していた。視界が無いのにGPS画面の縮尺を大まかにしていてコンパスの確認もしなかった事が原因の一つで、通い慣れた山に警戒心が無かった事もある。一周には20分近くかかっていた。

 山頂には後発のスキーヤーがなぜか先に着いていた。そうとは知らずに足の速い快速スキーヤーだなと思いつつ短い会話。一緒に行動しても良いかと言われた。断る理由は無かったが、後から考えたら北東斜面を滑る事は伝えていなかったし、急斜面での雪崩の対処等の確認もしなければ。基本事項を了解済みなら問題は無いのだが

 余計な事を考えながら歩いていたら目指す方角がずれてしまい進路を修正。先程のスキーヤーは追ってこない様だ。GPSの画面を拡大して10b毎の等高線表示に切り替えると現在地も判りやすくなり、さらにコンパスで確認。風下側になるとホワイトアウトで足元の雪面も判らない。雪庇の上に居るような気分。頼りはGPSのみで、この状況で下降できるか自信は無い。

 GPSにポイントを打ってきた場所でしばらく考えて判断。風は強いが気温は−6度と、この時期にしては高目。雪は固いベースの上に新雪が薄く積っていて現状では雪崩れの心配は無いが、恐いのは見えない頭上の雪庇の崩落と行動スピード。少し下れば視界も得られる判断で滑り出す、11時35分

 スキーが滑っているのか止まっているのか判らなくなる時もある。GPSを信じ、極低速の横滑りを主体に下る。次第に傾斜も立ってきて雪も深くなる。離れてはいるが下にあるロックバンドには注意。風はだいぶ弱くなってきた。雪庇下のルートに沿い下ると部分的なノド状の箇所がある。ピンポイントでアプローチを試みるが、斜面のせいかGPSの受信状態が悪化して現在地の把握が甘い。

 ノドは思ったより急で狭い感じ。一つ奥の方のノドに入ったようだ。小さなデブリがあり走路になっている。慎重に通過して間もなく斜滑降で斜面を横断して端の樹林帯へと逃げる。これ以上下っても天候の回復は期待できないようだ。消えかけたデブリ帯を越して樹林の中へ。灌木の下で一息ついてから再度シールを付けて登り出す、12時

 滑る楽しみはまったく無かったが、これはこれで何となく満足している自分が不思議。安全滑降ができた事の満足感か。楽しいばかりがスキーじゃ無いさと、強がり。雪質にも助けられ急な斜面を問題なく越して広い尾根上へ。付近は灌木が密生しているのでスキー場方向へとトラバース。予定の鉄山西尾根は天候を考えると時間も無いし却下。

 開けた白い斜面で滑降準備。12時40分、横向温泉へと滑り出す。視界はまだ悪いので飛ばせない。間もなくブナ林の中に入ると雪も良くなり滑りを楽しめる。先行の深いトレースを追い斜滑降で移動。スキー場からの廃コースと合流するとば後は慣れた道。昔に較べると大分樹木が育ってきている。横向の営業していないリフトの下を滑って車道に出ると箕輪スキー場は間もなく。13時5分駐車場戻り。