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 2010年 山歩きの記録                        yamayama.s.
 7月8日 鳥海山 (2236b)           

ハクサンイチゲの群生 笙ヶ岳稜線

笙ヶ岳付近

笙ヶ岳山頂

新山山頂

七高山より新山

千蛇谷の下り

鳥海湖 山頂方向

笙ヶ岳山頂方向 ガラ場への下り

【日程】 7月8日 天候:曇り
【山域】 鳥海山
【ルート】 一ノ滝登山口より山頂を往複
【行動時間】 9時間25分
【データ】 累積標高差2150b 移動距離24`

 梅雨時らしい天候が続き、天気予報を見ればどの山も雨マークが並んでいる。鳥海山だけは曇りの予報が出ていたので鳥海へと出かけてみる事にした。日和見登山と言うやつ

 花の時期でもあるので笙ヶ岳を越えて山頂往複のプランで考えてみた。笙ヶ岳への登山口は三箇所あり、どこから登るか迷ってしまう。どの登山口も時間的には大きな差は無く、地図で見た印象で一ノ滝登山口から取り付く事にした。

 登山口前に車を停めて歩き出す、7時35分。ブナ林の中の緩い登りが続く。帰路は千畳ヶ原から二ノ滝口へと下る事も考えていたが、出発前に地元の登山者から月山沢の渡渉に問題があると言われ、さて、どうしようか。

 曇り空が広がっていて山頂方向は雲の中。雨の可能性が高そう。道は尾根を外れて一旦下り、小沢を幾つか越えて行くと一ノ坂からの道と出合う。右に折れて笙ヶ岳方向へと進行。泥と湿った石で歩きやすくは無い道。次第に傾斜が増してくる。横を流れる沢にも小滝が見られるようになる。

 涸れ沢に枯葉が積ったのだろうか踏み跡が時おり見られ、獣道の時もある。所々に目印のテープが下がっているので迷う事は無い。笹の勢力が強くなり下半身はぐっしょり。8時40分、山ノ神からの道と出合うガラ場に出ると道も太くなり歩きやすく感じる。

 早くも灌木の背が低くなるが、高度はまだ900b程。尾根の向きのせいか風は無いが、霧で視界は悪く湿度も高い。ブヨがついて来る。時おり鼻や口の中に入って来る、噛み潰してやると意外と無味無臭。ごくり

 灌木帯を抜け、草原状なってくるとキスゲやヨツバシオガマが見られる。花々は雨に濡れて色鮮やかに見える。傾斜が緩くなると山頂は近い。錆びて字の見えない標柱の辺りが山頂だろう。笙ヶ岳山頂、10時。GPSは1639bと表示している。

 少し離れた低い所に三角点がある。遅れ気味なので先を急ぎたい所だが、次々に色々な花が現れるので観賞したり写真を撮ったりでペースが上がらない。大きな群落は見られない様だが種類は多い。東側の斜面にはまだ雪が残っている模様だ。緩いアップダウンが続く鞍部付近も残雪が覆っている。

 断続的に雨が落ちてくる。霧の中にイチゲやチングルマの群生が現れる道筋。西面は笹の勢力が強く東面に集中する。河原宿からの道が合わさる地点で木のベンチに腰を降ろして一休み、10時25分

 雪渓歩きも考えてゴア製の靴を履いて来たので、靴の中には水がたっぷりと溜まっている。カッパ下は置いてきたし、中の水を抜いてもまた入ってしまう事だろう。おにぎりを食べていたら背後から「こんちわ」!と大きな声が。思わず吹いてしまった。ツアー登山のリーダーのようで、確かに声はでかい。

 ここまで走って来たのかと冷やかされる、予定より大分遅れているのに。キスゲを眺めつつ鳥海湖まで下り出すと間もなく木道は雪の下。視界も無いので分岐まで戻り御浜小屋経由で扇子森を通過。風が出てきた。視界が悪いので登りは外輪を辿ってみる。何組かの登山者とすれ違う。遠く関西から来たのに山頂は断念したとか。気の毒。

 千蛇谷のコース情報が掴めない。道沿いにはイワベンケイが目立つ。七高山山頂、12時20分。一時晴れ間が見えたが、また雨が落ちてきた。写真だけ取り千蛇谷へと下る。豊富な残雪を踏み山頂方向へと進行。目の前にペンキマークが現れ、矢印に従い新山の山頂へと。濡れているせいか岩場の通過がぎこちない。

 新山山頂、12時45分。こちらも写真だけ撮りすぐに引返す。神社へと下らずに往路を辿ってしまった。雪渓を慎重に下り夏道に出合うと神社はすぐ。霧の中から先行者の鈴の音が聞こえる。夏道は間もなく残雪に消え、雪渓を下る。間もなく雪渓が狭まると雪が切れた。

 通過に問題は無く、再度雪渓に上がる。いつの間にか先行の鈴の音も消えていた。地図を広げると、鳥居の所からトラバースして外輪へと上がったようだ。谷から抜け出す七五三掛は1800b辺り、GPSを確認しつつ注意して下る。

 登山者から聞いた通り雪渓にロープが張られていた。1800b地点で高度もぴたり。外輪を登り出すとスキーを担いだ登山者に追いついた。いまだに付近の雪渓を滑っているとか‥。往路に戻り、御浜小屋へと歩く。千畳ヶ原への分岐が残雪のせいか判らなかった。

 確実な往路を戻る事にしよう。小屋までくるとガスが切れ、幾分視界も広がってきた。雪渓の残る谷筋から次々と雲が流れてくる。先ほどの河原宿との分岐でまた一休み。花の種類が多いせいか下りでも写真タイムが多くペースはスローなまま。

 まあ、今頃の時期ならではの山歩きの楽しみ。引き続きそれなりのペースで進行。15時、笙ヶ岳山頂。下るにつれて青空が見えてきた。眼下の万助小屋が意外と近くに感じる。草に隠れた道には注意。踏み跡が薄い部分もあるが迷う程でも無い。登山口方向が見渡せるが、随分と遠くに感じる。

 灌木の中に入ると風は無く暑い。ガラ場の分岐では往路を辿らずに直進。その先の分岐から遠回りしてみる。15分は余計にかかりそうな雰囲気。ブナ林の中に入ると傾斜も無くなり歩きやすい。寄り道から往路に戻るのには結構な登り返しが待っていた。登山口戻り、17時