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 2010年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 5月18日 鳥海山 七高山より大清水へ

1700b付近

七高山山頂

新山

新山の北面と稲倉岳

中央奥に大清水

大清水

【日程】 5月18日 天候:晴れ
【山域】 鳥海山 七高山 (2229b) 
【ルート】 祓川より七高山を経由して大清水へ
【装備】  板:K2 ペイバック146 金具:TLTスピード
      靴:TLT4PROツアーライトテック
【データ】 下降高度約2050b 移動距離約18`
       行動時間6時間

 鳥海山へと出かけて見る事にしたが、遅くても11時には下山の予定なので滑降ルートもある程度限られてしまう。山スキーで縦横に滑りまくるのが今時の鳥海の魅力とも言えるが、今回も希望通りには行かない。

 祓川発で七高山から千蛇谷か新山北面辺りが妥当な線かと考えていたが、早朝に麓から見た東面の白い斜面にすっかり心変わり。時間的には厳しいが大清水へと滑り込んで見る事にした。戻りは七高山まで登り返さずにショートカットと言う手もあるが。さて、上手く行くかどうか

 5時25分、祓川ヒュッテ前よりシール歩行を開始。駐車場には数台の車があり、早出の登山者が先行している模様。天候は曇りの予報で風もある、用意した2g近い水は余るかもしれない。夏道沿いにポールが打ってあるが、何時もの沢沿いに進行してみる。

 左手に回り込む印象はあるが、実際は夏道と並行するコース取り。今年は沢沿いの雪渓の亀裂が目立ち、枝沢の滝が早くも露出していたりして状態はあまり良くないが、歩くには問題は無いレベル。風があり体力の消耗も少なく、概ね快適な登り。山頂付近は最近降った雪で白くなっている。

 七ツ釜避難小屋付近から夏道沿いに歩く。ここから先、山頂までが結構長い。雪面には登りと下りのトラックが無数に刻まれ、このコースの人気がうかがえる。氷ノ薬師付近からは固く締まった新雪が続くようになる。傾斜が増してくると踵を蹴り込む要領でシールを効かせての登高が続く。

 クトーは無いのでシールのグリップが頼り。この板にはスカルパF1を合わせていたが、ついうっかりしてTLTツアーライトテックのブーツを持ってきてしまった。ソール長が若干短いがシビアな滑りでは無いので問題は無い。雪質もあり山頂付近の直登は無理なので巻き気味に登り、雪の切れる山頂下へ。

 7時20分、七高山山頂。山頂は風が強めなので写真だけ撮り、スキー板デポ地点へと少し下って一休み。大清水へと下る予定では無かったのでGPSにポイントは打っていなかった。去年の気憶とGPS画面でルーファイするしかない。間違ったら時間も無いので早めに諦める心がけ。

 上部は踏まれていて雪面も荒れ気味なので、適当に流して下り隣の雪渓へと移動。唐獅子平避難小屋へと至る白く広い雪渓はフラットで板が走り快適。傾斜に合わせてミドルで滑り避難小屋下へ。この先が少し自信が無い。地図とGPS、コンパスと過去の気憶を動員して大清水を目指す。

 どこかに目的地は見えているはずだが、確認はできない。緩く広い雪渓をゆっくりと滑り下る。時おり微かなシュプールを見る時もある。GPSマップに夏道が入っていれば何の問題も無いのだが。灌木が目立ちだすと次第に雪面の溝が深くなり、板を取られるようになる。

 立ち止まると尾根の先に避難小屋を確認。この先で少し油断したか、左の支沢側に侵入してしまい夏道のある尾根とは離れてしまった。修正して尾根末端を回り込むと湿地の先に避難小屋が見えた。8時15分、大清水。

 時間も無いのでここで登り返す事にする。陽射しをさけて大きなブナの木の下で休んでからシールで歩き出す。張り流しのシールの粘着が悪く、テール部分は張り付かない状態。シール全体のの剥がれにはならない判断で応急処置は無し。夏道のある尾根上は雪の着きが心配だったが上がってみれば問題は無かった。早めに尾根に上がればと少し反省。

 後は往路を辿り目の前の山頂を目指し歩くのみ。見上げると、青空を背景にした白い鳥海山の姿。筋雲が流れ、その形を変化させる。ゆっくりと泳ぐ白い龍のようにも見える。

 1700b辺りから往路へとトラバースする考えも、実際は雪渓のつながりもありそう甘くは無い。11時、1880bまで高度を上げ、ここからシールを剥がしてトラバースする事に。丁度に氷ノ薬師方向からシールでトラバースしてきたスキーヤー二人がシールを剥がしているところだった。大清水まで下るのか。

 皆考える事は同じ。余裕があれば山頂経由が充実感はあるのだが。広大な斜面の推進気味の移動が結構長い。薄い藪を越えるとツアーコースも近い。山頂を目指す登山者の姿もちらほら。

 コース上にまばらに残る新雪がブレーキになって滑り難い。新雪だけをつなぐ様に滑った方がリズムは取りやすい。直滑降とかで足を揃えるとバランスが崩れるし。苦労するのも滑りがいがあると思えばそれなりに楽しいでものす。思ったより時間のかかる下りだった。

 最後は推進で駐車場前まで来て終了、11時25分