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 2010年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 1月27日 吾妻連峰 一切経山と不動沢 

不動沢二股1420b付近 小さく巻いてみる

不動沢1500b付近

一切経山1790bより 不動沢と福島方向

予想外に狭く急な沢筋

KO山荘付近より一切経山と下降した沢 左

静かな旧あづまスキー場のゲレンデ

【日程】 1月27日 天候:晴れ
【山域】 一切経山
【ルート】 土湯→不動沢→一切経山→戻り
【装備】 板:BDリリック163 金具:TLTスピード
      靴:TLT4PROツアーライトテック
【データ】 下降高度約950b 
       行動時間6時間10分


 一切経山付近にはスケールは小さいがスキーの滑降に適した斜面があるように見える。以前に微温湯温泉からアプローチした事はあったが、強風もあり一切経山へと至る事はできなかった。今回、土湯温泉から不動沢の源流部を辿り、山頂へと繋ぐラインを歩いてみる事にした。天候に恵まれ、時間があれば家形山へと周遊して戻ったり、沢の状態が良ければ往路を滑り下るのも良いかなと。当日は風と雪の状態により思うような山行とは行かなかったが、これもまた山スキーの楽しさと言ったところか。

 土湯温泉の先の除雪終了地点より歩き出す、7時10分。気温は−7度。目印のテープが揺れる夏道沿いに歩き順調に高度を上げる。固い雪の上には数aの新雪が積っていて歩きやすい。途中、部分的に水流があり雪が切れていたが、シールで歩いて通過。シールが濡れたせいか、この頃からシールの抵抗が増えた感触。防水処理はしているが、シールが結構磨耗しているせいもある。

 そのまま歩き続け、車道を横断する所で板を外して見てみると、泥まじりの氷が盛大に付いていた。丹念にシールに付いたダンゴ落とす。お昼位には下山したいし、予定より出発時間が遅れた事もあり時間のロスが気になる。再度歩き出す。不動沢二股1400bが第一の目標地点。広い尾根を進むか、ツアーコースの夏道を辿り途中からトラバース気味に向かうか、ルートの選択肢は多い。不動沢登山口からの道が合流する辺りから尾根に取り付いてみる。

 沢形を辿る事も考えたが状態は良くない。灌木の目立つ広い尾根を歩きやすい所を選んでいたら、目印の下がるツアーコースへと出てしまった。進路の修正をしつつ、斜上気味に緩い尾根をつめて行く。木々の背が高くなると歩きやすくなる傾向。雪原の手前付近から尾根を巻き、不動沢へと移動。一切経方向の視界が得られる。

 雲の流れは速く稜線は風が強そうだ。白い斜面を選んでシールで沢へと下る。尾根が細くなり傾斜も出てくる。沢床は近いが水流の音が聞こえる。ノド状に細い支沢を下れば沢床に出ると思うが少し嫌な予感。付近を偵察するが沢の様子は不明。下れば登り返しは出来ないし、どうするか。無理せずに一旦登り返して上流側から巻いてみる。

 高度差で50b程だが、シールで滑っても快適な斜面を下り沢床へと。穴がある右俣を少し下ると不動沢の左俣に出合った。左俣は思ったより沢が狭くしょぼい印象。GPSで確認してから左へと進行。雪面が窪んだ所を通過しようとしたら丸い亀裂が走り水が溢れてきた、ゆっくりと後退。積雪は多くは無い。さらに先に進むと行く手が塞がり、右手の尾根から軽く巻いて沢床に戻る。

 沢は開けてきたが、風も強くなる。両岸の特徴的な岩壁の眺めが宜しい。旧道のある右岸尾根は雪の着きが悪く、アップダウンもあるのでスキー向きではない。ゴルジュ気味な所も問題は無いが、結構な硫黄の匂いがする。見上げる山頂方向はかなりの強風で雪面も固くなってきた。予定を変更して左岸の尾根に乗ってみる。

 尾根を越せばKO山荘方向に下る事ができる。往路を戻っても良いが、選択肢と残しておく。次第に傾斜が出て雪面も固くなってきた。最後は板を小脇に抱え、固い雪面にキックを蹴り込み前進。キックの効きが悪い箇所もあり緊張する。息が上がる。1790bの尾根が吸収される地点で終了とする、11時10分

 時間的にリミットだし。疎林帯であり周囲の眺めは良い。KO山荘の小さい赤い屋根が見える。シールを剥がし滑降準備。尾根の反対側の沢筋が急な雰囲気がするので歩いて偵察してみるが詳細は不明。雪面はアイスだが行ってみるか。固いバーンが弱い板だけに、その辺に不安はある。ガリガリのアイスなのでエッジが引っ掛かるのは救いで、ツルツルならアウトです。

 横滑りで下ると間もなくノド状に狭くなり、露岩も出ていて固いデブリで荒れている。ガリガリと横滑りで下る。足が疲れるので休み休み慎重に下る、エッジが抜けて岩にぶつかったら痛いでは済まない。少し下れば良くなると思ったがこの沢を抜けるまで状況は同じだった。沢の傾斜は40度位あるかもしれない。左から沢が合流すると雪も良くなり快適になる。

 左の沢は雪付きも悪くさらに険悪な雰囲気。トラバースして尾根側に進路をとると雪はさらに良くなり気分良い。KO山荘で付けたと思われるテープが下がっていたが、雪が深いのでシール無しでは移動はできない。沢筋にしばらく下り、板が止まった所でシールを付ける。

 GPSにはKO山荘の位置もツアーコースも入れていなかった。林の中を適当に歩いていたら雪原い出る。山荘への分岐付近、12時20分。ツアーコースにトレースは無いのでシールで下る事にする。下りでも結構汗がでる。雪は次第に浅くなり重くなる。旧スキー場への分岐でシールを外して滑り出す。トレースは無いので慎重に林の中を滑る。

 間もなくスキー場に出れば後は気楽に滑るのみ。気温が高いので雪は重くなっていたが、晴れているにしては快適快適。ミドルターンで滑り車道に出て歩きと推進で出発地点へと戻った、13時20分。気温は3度。