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 2009年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 5月21日 鳥海山

新山の北斜面へ

鳥海湖付近より新山

外輪の稜線より笙ヶ岳と千畳ヶ原

七高山

大倉滝上部

唐獅子平避難小屋

タッツラ坂?


大清水付近

大清水避難小屋


大清水より鳥海 左端に大倉滝

間もなく日暮れ

 遅くまで山スキーが楽しめる鳥海山へは毎年の様に訪れているが、いまだに滑った事の無い斜面は多い。今回は安定した天候を利用して鳥海湖と月山森、そして大清水へと巡る周遊コースを計画してみた。

【日程】 5月21日 天候:晴れ
【山域】 鳥海山
【ルート】 祓川→新山北面→鳥海湖→大清水→祓川
【装備】 板:BDリリック163 金具:TLTスピード
      靴:TLT4PROツアーライトテック
【データ】 滑降高度約3350b
       行動時間12時間45分 移動距離約30`

 ちょっと寝坊したので祓川の駐車場に着いたのも予定よりは遅めな時間帯となってしまった。すでに数台の車があり先行者がいる模様。軽く食事を済ませて出発の準備です。少し歩いて祓川ヒュッテの前からシール歩行を開始、6時20分

 登路は薄い藪を避けて左手の方へと振ってみる。すでに雪は緩んでいて歩きやすい。暫らくすると七ツ釜避難小屋の屋根が見えた、思いのほかに遠く離れて見える。目印が所々にあるのでルートに問題は無いと思う。すでに気温は18度近い、時おり吹く風があるので喉の乾きはさほど感じない。こうなると用意した3g近い水が余計に重く感じる。

 アイゼン歩行で先行していたのはスキーヤーだった。比較的新しい雪がのった斜面はシールが滑りやすい。最後の山頂への歩みがガックリと遅くなるが、これはいつもの事。誰も居ない七高山の山頂着、8時20分

 調子が良いと2時間を切るのだが、この先が長い事を考えると少しペースを上げすぎた感もある。風があり心地よい。目の前の新山を目指し、板を小脇に抱えて鞍部へと下る。夏道は浮石が多く落石には注意。最後は面倒なのでツボ足で山頂へ。板を抱えるせいか歩みは遅く効率は悪かった。8時40分、新山山頂付近。

 大きな岩の上が山頂だが、今回はパスして付近を偵察。やはり北斜面へのエントリポイントはノーマルがベストか。シールを剥がして滑降準備。幅のある一枚バーンは適度な傾斜で快適すぎて逆に物足りない程。写真撮影を交えて下る。ミドルを主にショートとロングを交えてのターンが楽しい、でもスピードの出しすぎには注意。微かなシュプールの跡も見られる。

 傾斜が緩くなる1420b地点で終了、9時5分。この先は斜上しながら千蛇谷へと進行、さらに外輪を越して鳥海湖を目指す予定。千蛇谷右岸尾根状より外輪山を越す良いポイントを探す。スキーのトラバースしたトレースがある斜面にメボシをつけ、シールで谷を斜滑降で横断。どうも外輪の斜面の傾斜が掴みにくい。

 雪が緩んでいる事もありトラバースは効率的では無かった、下から直登した方が良かったと反省。さらに歩いて扇子森の山腹を巻くが疲労感もあり、ここで滑降準備。雪が切れて再度歩いたりしながら鳥海湖が見えるポイントへと出る、11時。湖の底は白く雪の下に埋もれていた。期待した程の眺めは無かったが振り返る新山は何時もとは違う別な印象がある。笙ヶ岳の白い斜面が目を引く。ここから蛇石流へと滑り込んでみる事に。

 スケール感のある広大な斜面が魅力。ミドルターンで間もなく1440b滑降終了地点、11時5分。通過予想タイムが遅れ気味なので月山森は省略する事にしてして外輪山へと登り出す。風は無く汗が止まらない。腹筋が痛くなってきた、最近は長時間の行動が無かったので持久力に不安がある。ペースを落とし、小まめに小休止を入れる。どうやら雪渓を外輪の淵まで繋げそうだ。見た目にあと100b位の登りかと思い、GPSを見るとまだ250bの標高差があり、ガクッ。

 鳥海湖

 夏道のある稜線に出たときにはかなりの疲労感、12時40分。長めに休んでから板を抱えて夏道を七高山方向へと歩きだす。道は雪に隠れている所もありぺースが上がらない。30分もあれば目標の夏道の分岐まで行けると思ったが、夏山ならともかく、考えが甘かった。小一時間程もかかって夏道の分岐着。岩のテーブルの上で靴を脱ぎ大休止。予定より大分遅れているし大清水へ下るのは体力的にも自信が無い。休んでいる内に体力も回復してきた感じがして、唐獅子平避難小屋辺りまで下る事にして滑降準備。

 14時10分、避難小屋方向へと滑り出す。快適な滑りで間もなく避難小屋が下に見える地点まできた。雪も良いのでもう少し下る事にする。この先は雪が切れているので、薄い藪を越して隣の雪渓へと移動。以前に、県境沿いのこの雪渓をかなり下まで下った事がある。少し下り、左手に横に繋がる雪渓をトラバースする様に推進で移動して隣の雪渓へと乗り換え。

 予想通りに大清水方向へと雪渓は続いている、ように見えるが、そんなに上手く行くとも思えず、GPSで方角を確認しながら緩斜面となった雪面に板を走らせる。時おり夏道や目印もあるが、これは参考程度。大倉滝と思われる滝を観賞、水量が多く眺めは良い。ブナ林の新緑が目に鮮やかだが、ブナの恵みが雪面を汚し雪面も荒れて固くなってきた。

 まあ、雪が切れたら戻るつもりでいるのだが、随分と下ってしまった感はある。その内に大清水山荘の赤い屋根が見え、間もなく大清水着、15時。ここまで滑り下る予定では無かっただけに登り返しに不安はある。豊かな森の奥に鳥海山が遠く見える。それにしても静かで雰囲気の良い所。山荘の前には冷たい引水もあるので、ここでゆっくりしてから登り返す事にしよう。しかし、その内にヌカカが集まりだし、次第に大集団になってきてユックリもしていられない状況に。

 手短に水を浴びシールを付けて往路を戻る。やつらも当然付いてくる。一時間程経過してもうるさいヤツラ。そこでアイデア。急な斜面を勢いを付けて10b程下ると振り切ることができた。よしよし、やっとゆっくり休める。過去に肉離れを起こした太腿筋に不安があるので、ゆっくりペースを心がける。亀の歩みだが19時辺りをリミットとして祓川へと下り始めれば良いし、山頂手前で巻いてしまう手もある。

 休み休み行く、太腿筋がダウンしたら大変だ。ショートカット出来そうな部分もあるが、確実な往路を忠実にトレース。次第に日が陰り、空には薄雲が広がってきた。1970bまで詰めて滑降準備、18時30分。スキーでトラバースを開始。ここまで高度を上げれば何とか祓川のコースまで戻れるだろう。低灌木が現れ、薄い所から隣の雪渓に移動をかける。多分下の方で合流するとは思うが、万が一の場合の時間と体力の問題もある。

 往路に戻り、後はサングラスを外して日の落ちた斜面をすべり下るのみ。雪は相変わらず緩んでいて滑るには申し分は無い。祓川ヒュッテの前で滑降終了、19時5分。駐車場までは歩いて数分の距離。