トップページ 山スキーの記録 山歩きの記録 ときどき日記 プロフィール
 2007年 山歩きの記録                       yamayama.s.
 10月10日 猿倉より不帰岳へ (2053b)       

林道からの白馬岳

雪渓歩き

安定した雪渓が残る

山頂よりの主稜

杓子

清水尾根百貫山と毛勝山

朝日岳とレンゲ谷

清水岳

剣を目印に不帰岳へと下る

 祖母谷温泉をベースとした白馬と唐松岳の後立縦走コースがあるが、日帰りとしても祖母谷温泉前泊は必須だろう。そこで、猿倉からの日帰りで祖母谷温泉露天風呂&ビール付きで計画してみた。最低でも猿倉を1時発と考えたいたが、目覚ましをかけても起きられないと言う悲しい現実(性)。取り合えず、行ける所まで行ってみてからの判断にして出かけてみた。のだが

 北陸道の大幅な改修工事で猿倉着が遅れ、さらに朝飯などを食べていたら出発時間もだいぶ遅れ気味となってしまった。暫らく山歩きから遠ざかっていたので、体力的にスタミナが続かない傾向があり、朝飯の量も多目で時間も喰う。

 5時40分、歩き出す。小屋締の時期のせいか駐車場は空いている。気温が低く風もあったので、カッパの下だけ着用。天気予報通りの秋晴れが期待できそうだ。緩い林道歩きが長いが、風は無く汗が出る。後で大汗をかきそうな予感。40分程で白馬尻を通過。道は凍っている部分もある。沢筋の道でも人気のコースだけに整備状態は極めて良い。

 右岸の河原を暫ら歩いて雪渓に乗る。下り用にピッケルを持参したがアイゼンは無い。汚れたスプーンカットを利用して歩くが、いつの間にかコースから外れていたりする。雰囲気としては明るく開けた雪渓コースの印象。左岸に上がると雪渓歩きも終わり、この先には迷いようの無いしっかりとした登山道が付いていた。草付き状の急な斜面には階段が出来ていて登りやすい。楽ちんッス

 落石の不安を感じる箇所がいくつかあるので、そうは安心してもいられない。周囲の景観はすばらしいが、春を含めたシーズンの時期にはあまり気が向かない所です。たらたら歩いていたら、後発の元気の良い地元の日帰り縦走登山者が迫ってきた。長野には足の速い快速登山者がごろごろいる。ペースを上げてみる。頭上では荷下げのヘリが行ったり来たりと忙しい。

 少し気合を入れたせいか、順調なペースで稜線に上がる。風があるので白馬山荘でカッパ上を着用、緩い登りに喘ぎながら山頂に着いた。9時25分、白馬岳山頂。早いペースでは無いので先の行程の再考は必須となる、清水岳か、足を伸ばしても不帰岳が限界かも。山頂からの展望抜群で足下には白馬の主稜が見える、いつの日か残雪期の主稜を登りたい思いがある。2号雪渓は山頂から直下かと思っていたが違うようだ。一段下からの左右からのルートを滑り繋げれば面白そう。見た目は

 ゆっくりし過ぎたので急いで下り、分岐から旭岳を目指す。ピークを避けて道は旭をぐるりと巻いていく。ガラガラの道なので足元に注意しながら歩くが、振り返ると白馬三山から五竜岳稜線、遠くには奥穂らしき姿も。目の前には毛勝山から剣の山並みが素晴らしく、写真を撮ったり眺めたりで足が進まない。遠い昔に滑った柳又谷が思い出深い、谷も深い。周囲の谷筋は滑れば最高で傾斜も手頃なスキー天国。時間が得られれば定着での春スキーを満喫したい願望。

 11時20分、清水岳。ここまで随分と時間がかかってしまった、そろそろ引き返さなくては。第一目標の温泉とビールは間違いなく時間切れです。祖母谷の奥には温泉近くの河原が白く輝いている、泊まれれば最高でも、そうは行かない。もうチョイ下りましょうか、また来れるかどうか判らんし。石ころの多い道は快適では無い、バランスを崩すように歩き下る。尾根は広く、相変わらず眺めは良い。不帰岳は目前に大きいのだが、歩くほどに遠くなる。まさか

 12時25分、不帰岳避難小屋。樹林に覆われた山頂下にある小屋は予想外に立派な作りで、室内は小奇麗でシェラフ等も備える。逆に言うとあまり使用されてはいないかも知れないが。近くの水量豊富な水場で顔を洗い冷たい水を頂く。後で喉が渇く水質かもしれない。今回は多めに2g近い水を用意したが余るかも知れない。暫らくぶりの長時間行動にスタミナの問題あり、珍しく余分に用意した行動食を早めに取る。

 往路を戻る事にするが、雪渓の下りは日没になる可能性はある。まずは大きく立派に見える旭岳を越さなければ。腹筋が痛くなり呼吸が苦しい、こうなるとペースは落ちるばかり。背後になる剣の八ツ峰主稜がはっきりと見える、五六のコルは等とボンヤリと見ていると時間だけが過ぎていく。それにしても北アルプスの稜線のコースタイム表記は要注意、急登や岩場は大幅に短縮できても稜線はそうでも無い事が多いように思う。今回もそのパターンだが

 16時10分、再度風の冷たい稜線に上がり、分岐を大雪渓に向け下り出す。下りながら、以前にあった旭岳付近での遭難事故の件を思い出す。祖母谷温泉からの長い登りと吹雪。この時期の剣からの雪を伴う冷たい烈風は一瞬にして湿った体を凍てつかせる、目も開けられない程厳しい風。悲しい事故だ。こちらも時間は限れれている。明るいうちに雪渓を通過したい。

 まずは簡単に食事休憩です。ガラガラの道は飛ばせない。携帯が鳴り暫し立ち話、電波状態は良好。雪渓の途中で一気に暗くなり、ピッケルとライトを出すが右岸に上がるポイントがさっぱりわからない。変な巻き道らしき所に進入したりしてしまいガラガラの沢状を下り遊んでしまった、少し失敗。こんな時の為に持参したGPSを活用する事に、地図を拡大すると結構使える。

 それにしてもライトでの河原歩きは歩き難い。白馬尻小屋を通過するともうGPSルーファイもいらなくなるが、石につまずきながらの歩きが長く感じる。舌を噛んだりする。履いてきた靴が普通の登山靴で良かった。道筋には水が豊富なのは良い、冷たい水を味見しながらゆっくり歩く、歩く。19時10分、駐車場着。

【データ】 移動距離:約30` 高度差:約2500b

清水岳下には池塘が点在

日没近い杓子
トップページ 山スキーの記録 山歩きの記録 ときどき日記 プロフィール