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. 写真 ルート図
 2005年 山スキーの記録
yamayama.s.

 5月4日 朝日連峰 以東岳

竜ヶ池の近くで

障子ヶ岳

朝日の主稜線と天狗小屋

ウツノシマ峰の奥のピークから下降

出谷川と出合う 高巻く

西俣沢出合い

山頂方向 下山時

出谷川 狐穴小屋付より

出谷川へと下降したピーク

竜ヶ岳

 昨年から、残雪期における出谷川の偵察と以東岳の日帰り登頂を課題としてた。3月から4月上旬が適期と思われるがタイミングが合わずにいました。今回、時期は遅かったが飯豊での山スキーに感触を得ていたのでダメもとで行ってみた、のですが。

【日程】 5月3日  天候:晴れ 
【山域】 朝日連峰 以東岳(1771)
【ルート】 大井沢→出谷川→以東岳→狐穴小屋→大井沢
【装備】 KIKIスノーブレード98(メーカー不明のバッタ品)
     靴:コフラック(プラブーツ)

 二日前に使った兼用靴のインナーが乾いてなかった為、なぜか使った事の無いもらい物のプラブーツを引っ張り出してみた、歩きが良さそうなのとスキーとの相性を見るためもあり。結果、ぶっつけ本番の成り行き任せとなってしまった。

 大井沢から林道を入って間もなく、橋を渡った所で除雪は終了していた、一ヶ月前と同じ場所です。ゆっくりと支度をしていたら出発時間が大分遅れてしまった。2時45分、歩き出す。

 気温は−2度。雪が固く締まった林道を30分程歩くと南俣沢のバカ平登山口に着く。足跡が微かに残る林の中を行くと傾いた月が暗い林の中を照らしてくれる。残雪、尾根は部分的に雪消えしてるし雪庇も崩れかけているので中々雪をつないで歩けない、下りも大変かもしれない。飯豊よりは幾分標高が低いせいか、残雪の残り方も差があるようです。

 夏道通りにルートを取り、竜ヶ岳も近くなると日の出となる。尾根に上がると展望が良い、快晴ですが風がやや強い。6時15分、粟畑によって障子ヶ岳の眺めを楽しむ。先が長いのでゆっくりもしては居られません。

 6時35分、天狗角力取山。一応ピークに立ち、写真を撮って沢や以東岳方面の状況を観察するが、全体に飯豊に比べて雪の消えるのが早めな感じです。湯沢峰付近から状況を見て出谷川へ下降の計画。湯沢峰を目指す。一部夏道を利用して尾根筋を下るが、雪庇は後退して部分的に途切れているので夏道を歩く部分が多い。

 湯沢峰の一つ手前のピークから雪があり沢へと繋がっている様子、7時35分。少し歩いて下り斜度30度位の所(ツリーホール)で板を付け滑降の準備。靴がプラブーツなので滑り出しは慎重に横滑りでスタート。雪は固い。あれれ、エッジコントロールが効かず加速、バランスが崩れ尻餅をついた。

 ピック付きのストックで減速してブナの木に抱きつき停止。足首の遊びが多すぎるし。その後も横滑り中心に下るが効率が悪すぎる。傾斜もさらに増してくるし歩いた方が早い、アイゼンを付けて下降する。大分時間をロスしたので小走りで下ります。今日はスキーを諦めて、スキー無し登山にしましょう。もたもたしてたら日が暮れてしまいます。

 出谷川へと下る沢筋は次第にV字型となり、出来立てのデブリや古いデブリで埋りはじまる、歩いて下る怖さを感じる。頭の上には不安定なブロックがチラホラ、戻りルートには使用は不可。絶対

 岩肌が荒々しいエズラ峰も見上げるようになると出谷川も近い、激流の音が聞こえる。8時10分、出谷川と出合う。川幅いっぱいに増水した本流にはボロボロのスノーブリッジが垂れ下がり、遡行は困難に見える。尾根の雪は不確定要素があるし往路の沢ルートは戻れない。行ける所まで行くしかない。車の中に重量オーバーで置いてきたロープとエイト還が悔やまれる。

 左の藪尾根を小さく高巻き、薄いSBに乗り対岸へ。一段上の段丘に上がる弱点を探す。アイゼンとストックのピックが有効で段丘に上がれて取り合えず一息。時期が悪すぎた、両岸から落ちた真新しいブロックと増水した流れは迫力充分。無事戻れる自信は無いが、さすがは名渓で知られる出谷川。

 左岸の急な斜面を巻気味に進み、次のSBを渡り右岸の台地へ。川床は雪に埋り続けるようになるが不安定で途切れがち。どこから落ちてきてのか巨大な雪塊が沢床に穴をあけ、分厚い沢床にくもの巣状に亀裂が走り水流がうなってる。スラブ状の岩峰には今にも落ちそうな雪塊があり気がもめる、潰されれば体の一部は雪解け水とともに日本海まで流れて行くのだろうか。落ち切ってないデブリの横断ではいったん登り、ブロック様が落ちない様に念じ、手を挙げて一気に横断、疲れます。

 スピード命で目いっぱいの速さで歩く、喉はからからで息が上がります。障子ヶ岳の沢も悪かったが、また一つ雰囲気は違う。860b二俣で西俣沢出合い、9時。何とかここまで来ました、ここで一息入れる。時間を確認すると腕時計のベルトが破損していて落とす所だった。

 西俣沢は完全に雪で埋り、デブリが沢を埋めてるが雰囲気はまるっきり変化する。それでも油断は禁物です。ルート選択のポイントである1000b二俣も左俣の滝形は埋っていて簡単に越せたが、ここも走路になってるので嫌らしい。次第に谷も開けてくると後は山頂方向を目指し単調な登高を続けるだけ。傾斜を見ると25度から30度位か。

 笹原を避けて進行すると三角点のある山頂の近くに出る。細長い山頂の北東方向で展望を楽しんでから以東岳の山頂へ、11時30分。快晴の以東岳は初めて、周辺の峰峰の展望が素晴らしい、飯豊連峰が白く霞んでる。先はまだまだ長いので狐穴小屋を目指し下り出す。途中から広い雪原に出て順調に下降、雪は締まり靴底ターンもできる。

以東岳山頂 狐穴小屋

 小屋は確認できるが、なかなか遠い。やはり沢へ滑り込む斜面は魅力がある、そのまま二ッ石山辺りに登り返せば理想だろうが今回は靴の選択でしくじってしまった。思ったより時間がかかって小屋に着いたのは、12時45分

 小屋周辺でスキーで遊ぶ人影もあった。笹原の中に水音がして気になるが時間も押してるし先を急ぐ、水も残りは多くは無い。尾根に出て天狗角力取山へと進行するが、夏道を下るにつれ風も無くなりクソ暑いです。雪庇の上が快適だが長続きはしない、気温は20度近くで堪える。

 幾つもの峰を越してようやく天狗角力取山、16時5分。既に水は無く、後は大井沢までなるたけ早く下山して乾いた喉を潤すしか手は無い。早足で下るが、疲れからか足がもつれる、たまに尻餅ついたりしてみる。カラスが鳴いてるし

ブナ林の奥に月山 登山口に戻る

 長い時間がかかった感じだが登山口に着いたのは、18時5分。融雪水を少し飲んで先を急ぐ、後から美味いなと感じた、ガブガブやれば良かった。18時35分、重い足を引きずって出発地点に戻った。

 今回は山スキーと言うよりは山歩きでしたが、山スキーの積もりで出かけたので取り合えず。今後オーバーサイズのプラブーツでの山スキーの出番は無いと思います。
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