トップページ 山スキーの記録 山歩きの記録 ときどき日記 プロフィール
.
 2004年 山歩きの記録
yamayama.s.
 9月3日〜5日 虎毛山と高松岳周辺の沢                               ルート図

9月3日 ワルイ沢と赤湯又沢の写真 ↓

ツブレ沢

ワルイ沢で。左のスラブより高巻く

滑の小滝が続く

20M滝の落ち口で一本

登山道に出た

赤湯又沢に降りる

滑床とゴーロそして小滝が続く赤湯又沢

赤湯又の露天風呂はなぜか素通りして勘違いの巻

湯煙の上がる対岸の川原

虎毛沢との出合いの二股

水量の豊富な虎毛沢は沢と言うより川の雰囲気

【山域】虎毛山、高松岳(雄勝三山)
【日程】9月3日ワルイ沢と赤湯又沢
       4日虎毛沢遡行
       5日虎毛山から高松岳へ縦走
【ルート】水上林道→ワルイ沢→赤湯又沢下降→猿子
     倉沢出合い(泊り)→虎毛沢遡行→虎毛山避難
     小屋(泊り)→高松岳→水上林道駐車場戻り
【装備】沢装備+ロープ45M(未使用)

 虎毛山周辺の沢は以前から一度は訪れて見たいと思っていた。今回は三日の計画で入渓したが三日目は予備日として、ワルイ沢と赤湯又沢そして期待の虎毛沢の遡行をメーンにルートを繋げてみた。

 9月3日、予定より早く着いてしまい、暗い中水上林道の広い駐車場で入り口を探すがサッパリ判らない。諦めて明るくなるのを待って車内で仮眠を取る。7時5分、藪の中にようやく林道跡を見つけて薄い踏み跡を辿る。

 朽ちた橋を渡りツブレ沢へ下りて平凡な川原をワルイ沢出合いへと歩く。下降路にも考えていたツブレ沢は面白みはなさそうで却下。7時45分、ワルイ沢の出合い。地図で確認してから遡行を開始する。

 小滝を簡単に越して行くと小規模なスラブの先に何段かに落ちる滝が現れる、8時8分。奥の滝が越せそうに無いようで左のスラブを高巻くことにする。左上して樹林の中の急斜面を慎重に登ると踏み跡に出る。結構大きく巻いて沢床に降りた。

 滑床を交えたゴーロの先で二股に出合う。地図とコンパスで確認して左の沢へと進んでみる。小滝の連続をツッパリで越していくが結構面白い。この先で20M程の滑滝を越して大休止。側壁より落ちるスラブの滝が美しい、ゆっくり観賞。天候も雲は多いが回復傾向の模様。

 以降の小滝も問題なく越していくと水流も細くなって来て源流の雰囲気。本流を忠実に詰めて最後に笹の中を15分程漕いで登山道に出た、11時。1135Mピークの少し北側付近だろう。

 この後は尾根の反対側にある赤湯又沢の下降を予定、最短で沢に降りたかったので登山道を少し下ってみる事にする。少し歩くと左に踏み跡を発見、良いタイミングなので早速下降を開始。割とスムーズに赤湯又沢の細い沢床へと降りる、11時45分

 V字状の沢床は滑が続いてたまに小滝が現れるが順調に下降を続ける。水温が高いせいか沢の水は美味しくはない。くねくねと蛇行する沢は高度差が少なく遡行距離が長い。いい加減に飽きてきた頃ようや二股に出合う。右股から流入する沢の水温が高く微温湯のようだ。

 13時30分、川原の先に湯煙が上がっていた。近づくと丸い湯船の中に湯が満ちている、手を入れると驚いたことに丁度いい湯加減。対岸の川原は湯気が上がり泥が煮立っている、手を入れると熱い。川原が天然のオンドルのように暖かい。

 ここでビバークするには早いし、虎毛沢出合い付近にあると聞いた露天風呂を泊り場と決めていたのでこの温泉は諦め、先を急ぐ。長く単調な歩きは微妙に注意力も散漫になる、つま先を何度か岩や石ころにぶつけたりして痛みをこらえながら歩き続ける。

 15時10分、虎毛沢出合い。周囲はゴルジュ状で雰囲気の変化に驚くが簡単に越して目的地の天然温泉を目指し下流へと下る。水量の多い沢を腰のあたりまで水に浸かりながら進むがどうも様子がおかしい、スラブ状の両岸はビバーク適地など無さそうだ。

 坪毛沢の手前で諦めて戻る事にした。時間も時間なので猿子倉沢出合いの適当な段丘上を幕場として幕営の準備、16時30分。先ほどの温泉と勘違いしたのでしょう。赤湯又二股下流だったな確か、良く情報を確認しないのがまずかった。露天風呂を逃してガックシです。

 急いで薪を集めて火をつけ、ツェルトを張るがどうも見栄えが悪い。やり直している内にもう日暮れ、横倒しにして完成。テントのほうが簡単ですね。盛大に焚き火しながらビールとささやかな夕食を頂く。足先を確認すると親指の爪が白くなっていて押すと水が出てきた。明日は歩けるか少し不安になる。


 9月4日、ゆっくりと起きてボチボチと出発の準備。曇り空の下ゆっくりと歩き出し本日の目標である虎毛山を目指し虎毛沢の遡行を開始、7時。水量の豊富な沢を右に左に渡渉し赤湯又沢との二股をへつりで通過するとまた単調な川原歩きが続くようになる。

 時々現れる小滝を越していくが、目印に乏しい沢筋は現在地の把握が困難。10時55分、735M二股。思ったより早くついたので入念に地図とコンパスでチェックを入れる。さらに進行、この先の10M前後の堰堤のような滝を幾つか越して行く。やがて左から落ちる滝とその奥の二股に出合いじっくりルーファイ。右か左か、どっちかな。

 この先の滝場は通過に問題は無かったが、滑り台状に落ちる滑滝二箇所がヌメリで悪くかなり緊張した、個人的な核心部。それと倒木を渡っていて足を滑らせ落ちたのは精神的なダメージが大きかった。滑るのがポイントったようです、キーワードとして。

 やがて水流が消え沢形を詰めると赤布が下がる登山道へと出ることができた、14時15分。ここからの登りが辛いが一休みしてからガンバッテ山頂へ。15時、雲の多い虎毛山の山頂。ヘナヘナです。湿原を散策してから小屋でくつろぎ夕食。iモードで明日の天気を見ると山域全曇りの予報、さて明日はどうするか。


 9月5日、完全熟睡で計画的に朝寝坊が心地よい。親指の爪が半分白くなっててヤバイ感じ、歩けなくなったら大変だ。せっかく来たので高松岳に寄ってみる事にする。8時、小屋を後にして高松岳へと歩き出す。今日は尾根歩きだけだが左足をいためないように気をつける。

 登山道は手持ちの地図には破線で表記されてるが割りと歩きやすいし刈り払いの作業が進行中で快適に歩けた。それにしても登山道も沢もゴミが皆無なのには関心した、前に行った南八幡平はゴミ(ペットB)が森林の中や沢に散乱してひどかった、山関係者の仕業の気もするが。

 重荷のせいかアップダウンの連続にバテながら進行。沢に下った踏み跡を確認すると現在位置も判る、後は登るのみ。暫く行くと地図にはない分岐路に出る、湯ノ又ガンジャロ、湯ノ又温泉へと書いてあるが山頂を目指すので尾根ルートを登り続ける。

 付近には赤湯又沢源流部に下るであろう踏み跡もあった。最後の急登を休み休みこなし山頂へ、12時20分。ゆっくり休むが残っている食料は飴とチョコが少々、腹減ったが飴でガマン。展望の無いテッペンを後に下りだすと雨が降り出す。

 痛むつま先に気をつけるがやっぱり痛い。水場まで下ると単調な林道跡となり、落ちそうな橋を渡ったりしながら湯ノ又温泉の先の駐車場までひたすら歩いた。14時20分、駐車場に戻る。テントを張った沢登りのグループが林道の入り口を探していた、廃道なだけに草むらに隠れて判りにくい様です。

 湯ノ又温泉で冷たいビールでも飲もうと思ってたら自販機も無い素朴な宿でビールは諦め湯に浸かる。その後は腹も減っていたので自宅までノンストップで帰ったのであります。




焚き火をボーッと見てると眠くなる。ヌクイ
 9月4日 虎毛沢の写真

撤収して出発 →

岩魚の走る淵と滑床と小滝が続く・・

岩魚の手掴みは無理のようです

見た目ほどでもなく難なく通過

滑床の種類が多く次々と種類の違う滑床が現れる

950M二股の手前のあたり

虎毛山頂湿原の池塘

赤湯又沢出合いの二股を通過

時おりスラブが現れるが明るい沢筋

緑濃い沢の美味しい水、眺めも良い

亀甲状の滑床

10M前後の滝が適度な間隔で現れる

滑滝は傾斜が緩いがヌメルので慎重に越す

展望の無い湿原、栗駒山が少し見えたような気が
 9月5日 虎毛山から高松岳の写真

避難小屋を後にする →

ブナ林の続く縦走路は熊の気配は無い、みたい

虎毛と高松間の最低コル付近から前森山と虎毛山

高松岳山頂では泥湯からの登山者二名が休んでいた
トップページ 山スキーの記録 山歩きの記録 ときどき日記 プロフィール