数年前の秋に剣岳北方稜線の池平山から見た周囲の谷筋は残雪で埋まればすばらしいスキー滑降ができそうだった。今回、池平山周辺の五本の谷筋をつなぎ周回を計画した。
気温が高いせいか沢やルンゼの状態が悪く、計画の変更はあったがこの山域ならではの刺激的な山スキーを楽しめた。
13日
9時30分
室堂を出発して剣沢の二俣を目指す。荒れ気味の沢床を下り二俣の手前で右岸をへつり北俣に入る。
15時
平ノ池。小黒部谷と大窓の偵察を兼ねて仙人山に向かう。
16時20分
見た目より斜度のある大斜面を平ノ池まで滑り降りて幕営。
14日
5時10分
平ノ池を出発。小窓雪渓との出合に不要な装備を置いて小窓を目指す。
7時30分
小窓。西仙人谷を覗くと谷は転石と岩雪崩で荒れていてまともに滑れる状態ではない。強風の中確認する間もなく草付を50m程下り雪渓の上に立つ。今まで無キズだった山板を付け、横すべり中心に転石を避けながらスローペースで下降を開始。思ったより幅のある西仙人谷だが側壁は高く脆い。早く通過したいが下部はデブリでさらに荒れている。スキーでの下降を諦めようかと思う頃に大窓谷との二俣に出る。
9時
アイゼンとダブルストックで大窓を目指す。ルートを間違えたかと思うほど谷筋は荒れている。途中からの二俣の左岸は崩壊して近寄る事もできない。ときおり落石が飛ぶように落ちてくる。気温が上がり対岸の小窓尾根ではブロック雪崩が発生、脆い側壁を巻き込み谷底へと消えていく。広い雪原に出て草付を少し登って大窓に出る。
12時
雪庇の弱点より大窓雪渓に降りる。急斜面は部分的で広く快適な斜面をパラレルターンで目標の小黒部谷出合いへと滑り込む。池ノ平小屋を目指し、小黒部谷の明るく開けた谷筋をゆっくり登高する。
14時40分
池ノ平小屋。二俣のスノーブリッジが気になり、池の平山の大斜面を諦めて剣沢の幕営適地を目指す。
16時40分
真砂沢ロッジ下流の台地で幕営。