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 2014年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 3月29日 栂峰

普洞沢左岸尾根より1490P南東斜面

1490P 帰路、この辺は崩れていた

1490Pから高倉山方向

1515Pより吾妻連峰方向

1406鞍部と栂峰方向

栂峰と大荒沢源流域の斜面

栂峰ピークより飯森山

1406鞍部より 快適な下り斜面

【日程】 3月29日 天候:晴れ
【山域】 栂峰 (1541b)
【ルート】 大峠トンネル米沢側入り口より栂峰往復
【装備】  板:BDドリフト166 金具:TLTスピード
       シール:G3 アルピニストクライミングスキン
       靴:スカルパF1
【データ】 下降高度約1300b 移動距離約13.4`
       行動時間8時間10分
       (参考値)天元台スキー場積雪:390a

 栂峰のピークへと至るルートは通常の小屋コース以外にも幾つか考えられる。今回は、R121の大峠トンネル米沢側から普洞沢左岸尾根に取り付き、県境稜線を辿って栂峰へと至る計画。ルートとしては面白味がありそうだが、山行記録等も少なく一般的なルートでは無い感触。昨年からの課題ではあるが、実は初めて栂峰を訪れた時からの思いでもある。

 大峠トンネル入り口の空きスペースに車を停め、シールで歩き出す、9時20分。取り付きから急斜面の登りが続くので始めからクトーを装着。少しでも傾斜の緩い方向に進路を求める植林帯の登り。気温は高く雪は緩んでいるが、日影のせいか雪質はそう悪くはない。もっとも、急な所で板を横にしたら雪面が崩れて3b程滑ってしまったが。

 尾根上は傾斜も落ちて歩きやすくなり、疎らな天然林からさす陽射しが眩しい程。暫くは順調だったが、尾根が細くなった930b付近で部分的に雪は切れていた。急斜面の周りには藪が露出して雪面には亀裂があり、ちょっと見にはスキー担いで越すには無理っぽい。地図を見ても巻きは不可能。時間もあるし諦めるのはまだ速いのでチャレンジ。

 板を束ねて持ち、ストックはザックに付けてツボで斜面を斜上して藪の薄そうな所へ。膝上まで潜る雪。頭上の藪の上にのっている雪が嫌らしい。雪の切れ目にきて見上げる。10b程の登りで最後は垂直だが、ブッシュが使えそう。腕力頼りに強引に藪を通過、最後の詰めは細い木の枝達を頼りに雪面に上がる。30分程の道草気分

 ブナが散見される尾根は広く開放的で別世界だった。展望が得られるようになり、目指す県境稜線上の1490Pが目前に。無名ピークの南東斜面は所々雪が落ちて露岩が出ていて雪崩で荒れた印象。時おり遠雷のような雪崩の音が聞こえる。ルートになる鞍部付近は黒くなり雪は無い。取り合えず前に進もう。

 雪が割れた所をスキーで強引に越えたり、細い尾根上で部分的に雪が切れたりして、それなりに楽しいと思える箇所はある。この先、尾根が県境稜線と出合うピークの手前から鞍部へと早めにトラバースのつもりだったが、地形的には問題が無くても雪面には亀裂が縦横に走っている上に雪面下に隠れているのも有る。

 ここしかない最後のポイントでトラバースを開始。斜面に入ると見た目以上に傾斜がある。雪面が崩れたら下の亀裂に落ちてしまう。かぶり気味な波打つ頭上の雪も気になるが、こればかりは。雪に隠れた亀裂に半分はまったりして通過には時間がかかった。安全な県境稜線に上がると、稜線は広く立ち木もまばらなのでシールを滑らせて快適に鞍部へと下る。

 G3シールはグリップがやや弱いながら、その分抵抗は少なく滑走性は良好なシール。スピードに乗って外足に荷重するとカービング的に気持ち良く弧を描く。雪質にもよるがクトーを付けるとより安定すようだ。

 雪付きに懸念のあった鞍部からの登り、傾斜はあるが南向きの白い斜面には亀裂も無く一安心。大きくジグを切り登りの限界に近い斜面をゆっくりと詰める。最後はブナ林の中に入って一息。ここまでは、山スキーも久々なのでペース配分には注意して息が上がらない程度のゆっくりペースを意識してきた。

 尾根上は状態が良くない感じなので雪庇を避けてなるべく会津側を行く。1490ピークが近くなって来た。見えているのは1515Pの手前のピークで高倉山からの尾根と繋がる。下から見ると立派なピークに見える、そのピークに立って高倉山へと至る尾根を観察。尾根の細い所では雪が切れていて小ポコが続いていた。この尾根のルートも考えていたが、苦労しそうな雰囲気。

 真っ白な頂きからの眺めは素晴らしいが、空は霞んでいるので遠望は今一つ。吾妻連峰も霞んでいるせいか遠くに感じる。直ぐ近くの1515Pへは緩い登り。名の無い(有るかもしれない)ピークからは栂峰が見え、栂峰へと至る県境稜線も確認できる。白い峰々の眺めをしばし堪能。思ったより栂峰が遠い感じなので間もなく歩き出す。

 尾根の変化に警戒する時もあるが、通過は意外に簡単だったりする。低い標高のせいか大きく発達した雪庇は不安定で、亀裂が走る傾向なので端の方には余り近づかない方が無難。県境上の小ピークのアップダウンに思ったより時間が掛かるのは体力的なマイナスもある。気温は高いながも吹く風が心地よい。気温は9度。

 最後の1530Pを緩く越せば栂峰は目前で見覚えのある風景が広がる。大荒沢源流部の滑降が第二の目標だったが、時間的に厳しいし、広大な白い斜面の沢筋にはデブリも見られる。県境稜線へと登り返しの詰めとなる辺りの雪庇の弱点も乏しく課題は多い。

 栂峰山頂、14時20分。予想より大分時間を要したが何とか来れて、やれやれ気分。蝶が一羽舞っているのを横目に大荒沢の斜面を名残惜しくしばし鑑賞、飯森沢に比べれば雪面も穏やかで親しみ感はある。少し移動して雪の名山飯森山も鑑賞。県境沿いはシールで通す事に決めていたので脱着の手間は無いが、クトーは収納してバックルを緩く締め踵フリーで往路を戻る事に。山頂からの緩い下りもシールで快速で下れる。登りになればそのまま歩けば良いので流れは良い。

 スピードが出る程にコントロール性が格段に良くなる傾向は新発見か。1406鞍部からの登りでは軽い予兆の後に右足が攣ってしまい、しばしの間行動不能に。若い頃はこんな事とは無縁だったのにと、痛てて。陽が傾いて山並に陰影が付くと山の表情にも変化が生じる、時折り立ち止まり写真を撮ったり眺めたり。1515Pからの下り、最後の大斜面はシール滑りでも十分に楽しめた、盛大に転がるスノーボールが雰囲気を盛り上げる。

 鼻歌気分で鞍部に降りると後は普洞沢左岸尾根へのトラバースが待っている。トレースを辿るのみでも油断はできないポイント。尾根に乗って一息。見上げると1490Pの南東斜面が陰りピークのみが夕陽に輝き、名も無き高峰の様にも見える。まだ気の抜けない箇所があるので更にシールで下る事に。問題箇所を越して上部の最後の課題を通過すればシールは要らないが、シールでも調子が良いし面倒なのでシールで滑り下る。

 尾根が広くなるとミドルからロングに近いターンが心地よい。見覚えのあるクロベの大木が見えて来た。ここでストップ、例の板を担いだポイントだ。ザックを下ろして下降の準備。板は束ねてストックはザックに。長い事使っていないスリングをほどいて二本繋ぐと10b程になる、もう一本細めのスリングは捨て縄にする算段。落ち込みの手頃な木にスリングをセットしてゴボウで慎重に下る。

 ロープ一杯まで降りて回収、後はブッシュに手を借りてズルズルと下り雪面に立った。雪は更に緩んでいるので板を付けて下り強引に尾根に上がる。眼下には国道も見えた来たのでもうシールは要らないが、えーい行っちゃえ。尾根の幅が狭くなり立ち木も目だってきたが、低速の操作性はファンでは無いのでそれなりに飛ばす。

 末端も近いので尾根を外れて下り出すと植林帯で、雪が切れている所もある急斜面。難しいなと少し考える。大きく斜滑降の要領でスピードに乗って無事クリア。シールを外せば何てこと無いのだが。17時30分、出発地点戻り。