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 2013年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 3月17日 品倉尾根より月山へ

品倉山付近より品倉尾根と月山山頂

品倉山 〈動画〉

品倉尾根より湯殿山北面

品倉尾根上部

月山山頂と鳥海山

山頂下より品倉尾根方向

濁沢右岸より品倉尾根JP方向

濁沢右岸の尾根より品倉山 〈動画〉

【日程】 3月17日 天候:晴れ
【山域】 月山 (1979b)
【ルート】 湯殿山スキー場→品倉尾根→月山→品倉尾根下降
【装備】  板:BDドリフト166  金具:TLTスピード
       シール:アセンションSTS 靴:スカルパF1
【データ】 下降高度約1750b 移動距離約20.5`
       行動時間8時間20分
       (参考値)湯殿山スキー場積雪:480a 


 紫灯森から湯殿山スキー場方向へと下る尾根は優美な曲線を描きつつ落ちるが、急峻な谷側の斜面は力強くもあり、その対局的な姿にはスキーヤーとして魅せられてしまうものがある。 尾根と沢筋の滑降は以前から気にかけていたのだが、今回は初回と言う事もあり、尾根を忠実に辿り濁川を周回するラインで計画してみた。

 6時45分、湯殿山スキー場の駐車場よりシールで歩き出す。県内でもトップクラスの積雪を誇るスキー場だが訪れるのは今回が初めて。要領を得ないが、取りあえずリフト沿いに高度を上げていく。リフト終点から先にもコースは伸びていて、先に行くとワイヤーと古びた支柱だけの廃リフトがあった。地形が複雑な割に傾斜は無く、スキーには不向きなゲレンデが要因かなと、思われる。

 疎林の平坦な雪原には無数のスキーとスノーシューのトレースが見られる。締まった雪の上には薄く新雪が積もっていてトレースが消える時もある。周囲の低い山並みは白く、目指す品倉尾根が確認できる。予定通りに品倉山へと進行。正面の尾根末端から取り付く予定だったが上の方に露岩があるので、もう一つ奥の支尾根から登ってみる事に。

 尾根に囲まれた広い谷筋の雰囲気が良いのでこちらから取り付く。一見して急な斜面には見えないが、上の方は急斜面と思われる。稜線の雪庇崩落によるデブリが散見され大き目なブロックも所々に存在。あらかた落ちた模様なので問題は無いと思う。適当な所から右手の尾根にと思ったが、深追いしたか谷から抜け出すタイミングを逸してしまった。

 30度を超すと思われる雪崩最適な斜面は新雪が深い所もあれば、固いベースの上にモナカ雪が30a前後板状に積もる箇所もあり状況は微妙で運任せな感触。こんな時は山の神アッラーに心の中で祈るのみ。イスラム教では無いですが。

 最後の固い斜面はは途中で付けた頼りないクトーの引っ掛かりとカニ歩きで尾根上へ。やれやれ、思いの外に手間取ってしまった。尾根に上がった辺りが品倉山山頂の様だがどこがピークかは判然としない。品倉山山頂、9時5分

 眺めは良好で、写真を撮ったりしながら腰を下ろしてゆっくり。朝日連峰から摩耶山、鳥海。これから向かう月山、山頂へと伸びる品倉尾根は思いのほかにアップダウンがある。暫くは快適な雪稜歩きが楽しく、写真撮りも忙しくてペースはのんびりムード。湯殿山北面の眺めは見ていて飽きないし、対岸の右岸尾根の感じも良い。1281ピークを越して1386ピークへの登り、固い斜面にシールで粘るが何度か後ろに滑ったり転倒するので腰に付けていたクトーを再度装着。

 ブッシュが出てきて進路を塞ぐ。氷化した固い雪面にはクトーの歯が刺さらずに曲がってしまいそう。アイゼンは持たないのでクトーが使えないときは下るしかない。雪庇の亀裂にも注意。C1619bが近くなると尾根は広くなり雪も緩んでペースは上がる。JPとなるC1619b着、11時15分

 特徴的な丸い盛り上がりのC1619bからは、正面に月山が大きく見え紫灯森も近い。付近の峰や谷は新雪で真っ白になり幻想的。大きくうねる尾根を辿り紫灯森へ。直下には大きな亀裂が口を開けていたが通過には問題無かった。牛首の先からは単独の先行者の往復トレースが残り、板をデポしてアイゼンに切り替えた模様。

 やはり雪は固いのかなと思いつつ広い斜面に取り付く。次第に風は強く冷たくなると雪面も固くなりアイス状に。氷の鎧に覆われているようだ。クトーの歯が辛うじて氷に利いていて、クトーを踏む力とタイミングに神経を使う。シュカブラのデコボコ帯に入ると傾斜は落ちるが、風は容赦無く吹き付けてきてスキー歩行の限界近い。

 13時、月山山頂。谷側に寄ると吹き上げる風に浮き上がるよう。写真だけ撮って下山開始。シールで往路を暫く下るが、これも難儀。雪面が落ち着いた辺りで滑降準備。ガタガタ斜面に足が痺れてしまいそうだが、思ったよりはスムーズな下降。ゆっくりペースで。せっかくホットワックスを塗ってきたのだが、これではワックスも持たないし滑走面にも厳しい。

 牛首まで来れば風は問題無く雪質も柔らかい。速度に乗って紫灯森へ。時間があれば田麦川へと滑り込み、C1619b辺りの尾根に登り返す予定はあえなくキャンセル。品倉尾根上の緩ピークを巻いて行きC1619bの手前でシールに切り替える。少しの登りも雪が深いのでシールが必要。

 C1619bから濁川右岸の尾根を下る事にして14時、滑り出す。右を見ても左を見ても絵になる眺めで、鑑賞したり写真撮ったり。 ボチボチと下る。上の方は固い雪もあったが、下るにつれて雪は緩み滑りはスムーズ。現れる尾根上の小ピークも簡単に越したり巻いたりで通過。濁川を下っても問題は無いようだが、今回は尾根を辿りたい。地図上の道路が沢を横断する辺りから対岸に渡り、自身の往路のトレースに出合う。

 その先はトレッキングコースなのか、シューやスキー達の新たなトレースがまた刻まれていた。軽い推進で下って行くと次第に雪は重くなり板はブレーキ気味で汗が出る。スキー場ゲレンデの迂回コースに出ると不思議に板の滑りは良くなり、遅いボードやスキーヤーを追い抜いて行く。雪質の問題かなと思いつつ駐車場前へ。出発地点戻り、15時5分