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 2010年 山歩きの記録                        yamayama.s.
 10月5日 富士山 御殿場口 (3776b)     

御殿場口1600b付近より

まだまだ遠い山頂 次郎坊付近

剣ガ峰

富士山山頂

山頂より火口方向

下方に富士宮口が見える 浅間大社より

新六合分岐

浅間大社


雲が切れて双子山が見えてきた

【日程】 10月5日 天候:晴れ
【山域】 富士山
【ルート】 御殿場口→剣ガ峰→富士宮口新六合→
               浅間大社奥宮→御殿場口
【行動時間】 10時間55分
        累積標高差約3600b 移動距離約27`

 当初は白馬方面に2日の日程で出かける積りでいたが、当地の天候が不安定な事もあり、予定を変更して富士山へと出かけてみる事にした。富士山は過去に一度だけ山スキーで来たきりで、無雪期は今回が初めて。

 由緒ある吉田口浅間神社か御殿場口かと迷ったが、適度な傾斜と砂走りに魅かれて御殿場口から山頂を目指し、富士宮口へと下って往路を戻るコースを考えてみた。地図で見た感じでは一日で高度差で3600bを越える快適な登り下りを期待できそうに思えたが、実際は長い砂礫の歩きと冷たい強風に吹かれ、思いの他に時間がかかってしまった。


 標高1440bの御殿場口駐車場から歩き出す、5時50分。予定より早目に着いたのだが、歩き出しから広い砂礫の中の道だし時間に余裕もあるので、明るくなるのを待ってから歩き出した。気温は8度程なのでカッパ上を着用。風があるのでTシャツ二枚では汗も出ない。青空を背景に、富士の頭が朝日に染まり出す。時々立ち止まり写真を撮ったり周囲の景色を眺めたりしつつ進行。

 左手に見える双子山は名前の通りで丸く低いピークが二つ並んでいる。黒い火山砂礫の道が見える限り続いていて、思った通りと言うか、思ったよりもと言うか、足が砂に取られてペースは上がらない。砂走り下部と思われるブル道沿いに真っ直ぐな道が続く。次郎坊からやや傾斜が増してきたので、ジグを切って伸びる登山道を選択。

 相変わらず砂礫に足を取られるので、途中からブル道へと乗り換えてみるがこちらも歩きにくい。道が交差する辺りから登山道へと再度戻る。七合目辺りまで来ると岩混じりの道になり大分歩きやすくなるが、今度は風が次第に強まり時おり立ち止まるようになる。耐風姿勢をとる程では無いが。

 飛んでくる細かい砂粒が口の中に入り不快。廃墟となっている小屋跡が数件。富士宮方向からの踏み跡や小屋の屋根が見られるようになると道には石や岩が目立つようになって来る。風が強く、時おり立ち止まる事が多くなる傾向。前方に単独登山者がいた。風に耐えているのか立ちすくんで居る様にも見える。上下カッパにゴーグルとスキー用のフェースガードと完全武装。

 こちらは軽装なので動いているのが基本。そう言えば天気予報は山頂付近の風速は20b近いとあったような気も。楽観的解釈。先ほどの登山者が動かずに下からこちらを見ているので、落石に注意しつつ歩く。ややしばらくすると目の前に鳥居が現れた。休業中の休憩所の先からは最高点となる剣ガ峰が見える。

 浅間神社では風を避けて登山者が休んでいた。雲海が上がりつつあり周囲の山々は見えないが、天候は良い。岩陰の氷柱が長い。軽快なエンジン音と共にビジネスジェットが何度か旋回して消えて行った。白く輝く機体、遠目にはUFOの様にも見える。

 剣ガ峰山頂、10時5分。測候所の展望台に上がれば北や南アルプス方面の展望が有りそうだが、風が冷たいのでそちらには向かわず間もなく下り出す。気温は3度。浅間神社で作戦の練り直し。予定より遅れているし風も冷たいが、一日富士山で遊ぶ積りだったし戻るには早すぎるか。予定通りに富士宮口へと下り出す事に。10時40分、浅間神社より下り出す。

 躊躇している間に時間をロスしてしまった。山スキーで来たときよりも急に感じる下り道はゴツゴツとした岩の道。小屋の表示や道標関係は撤去されていて不明だが道に迷う事は無い。ボチボチと登山者が登って来る。大きなザックが重そう人達はまた目指す目的が違うようだが。

 七合辺りからは霧の中で視界が無い。気温が上がり風も収まり、ちと暑い感じ。間もなく新六合の小屋の屋根が見えた。新六合の分岐、11時50分。営業中の小屋前のベンチで休憩。ここから往路を戻り再度山頂へ。山頂から見下ろした時は駐車場が見えていたが、今は真っ白。まずは来た道を登り返す。

 体が冷えたせいか股関節に違和感を感じ、何となく足の上げが重い。山頂で会った登山者が下って来る。さすがに富士宮口は登山者が多目だ事。七合辺りから足が重くなって来た、股関節が痛み出しペースは落ちるばかり。また風が冷たくなってきた。富士の天候としてはそう悪くは無いのだろうが、3000bを越える山に対しては少し装備が軽装過ぎたかもしれない。

 岩陰で休んだりしながらゆっくりペースで進行。運動着姿の若者が軽快に下って来た、気になり目が合った。お互い頭を下げたが、思うにマラソン登山のトレーニングのような気も。富士吉田から山頂まで2時間台の超快速者達。もしもそんなペースで登ったら心肺停止です。

 だましだましで歩きようやく浅間大社に到着、14時25分。相変わらずの山頂。さらに御殿場口を目指し分岐へ。単独者が登ってきた、御殿場口からと言うすらりとした美女は話してみると実は男性だった。こ、高度障害だべか。

 再度の岩がごろごろ道を下る。下りでも関節の痛みは消えず、下るペースも遅め。間もなく雲の中となり視界は不良。足跡を見ると何人かが下って行ったような気配。道標の類が撤去されて無いせいか視界のせいか、楽しみしていた砂走りへの分岐を見送ってしまい、登りの道を下っているのに気が付いたのは大分たってからだった。

 分岐には気が付いていたのだが、地図等での確認をしなかった事もある。関節の不調もあり、駆け下るには無理があるので諦めもつくが。しかし‥。視界が少し良くなると双子山が見えてきた。砂走り下部の緩く下る直線の歩きが長く感じる。出発地点の駐車場に着くと間もなく雨が降り出した、16時45分