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 2010年 山スキーの記録                       yamayama.s.
 3月15日 吾妻連峰 中吾妻山

大崩沢の取り付き 砂防ダムと法面が見える

作業道末端と大崩沢(仮)のシュート上部

1346三角点付近より裏磐梯方向

中吾妻山頂より西吾妻方向

山頂より大倉川へと落ちる沢筋

広い斜面を谷地平を目印に滑る

1346三角点ピークの雪庇弱点





【日程】 3月15日 天候:晴れ
【山域】 吾妻連峰 西吾妻山 
【ルート】 大倉川橋→中吾妻山→大倉川支沢1560b→戻り
【装備】  板:K2 ペイバック146 金具:TLTスピード
      靴:TLT4PROツアーライトテック
【データ】 下降高度約1600b 移動距離約23`
       行動時間9時間

 何となく日程が合わなかったりして山スキーからは遠ざかっていた今月。去年の2月に蒲谷地を起点に中吾妻から東吾妻へと周回した時に気になる斜面があり、今後の課題として心の中に残っていた。中と東の吾妻を周回するならともかく、中吾妻を目指すだけなら今回の大倉川橋から山頂のライン取りは歩行距離と尾根のアップダウンを考えるとあまり効率的では無いルートとも言える。

 今回の目的は二つ、一つはは中吾妻山頂から大倉川へと落ちる沢筋の滑降。もう一つは中吾妻南尾根から大倉川へと落ちる大崩沢(仮)のアバランチシュートと山肌に刻まれた作業道の確認。特に大崩沢の白い斜面は斜度スケールともに申し分は無い。雪も落ち着く3月だが、問題は積雪と気温かもしれない。

 6時50分、新大倉川橋のたもとにある駐車スペースに車を停めて歩き出す。数日前に降った雪が固いベースの上に乗っていて歩きやすい。風は無く陽射しもあり暖か。

 歩き出して間もなく気がついた。この板の場合はブーツをスカルパF1で合わせていたが、足元を見ると違う組み合わせとなるTLTツアーライトテックを履いている。出発前に板はBDのリリックで行こうと考えていて、シールの状態を見て急遽ぺイバックに変更したせいもある。最悪はカカトフリーの仮テレマークで滑れば良いだけの事だが。山頂まではまだ時間もあるし、対応策検討

 傾斜の無い大倉川の右岸沿いの道を坦々と歩く。雪に埋もれたゲートをを通過して暫らくすると物置風の建物があった。積雪は1b近くあるようだ。この先は通行止めの表示があり、左手には目指す大崩沢が中吾妻南尾根へと突き上げている。作業道は斜面に大きくジグを切って伸びている。予定登りルートの尾根上1320b小ピークから落ちる支尾根は、シール登行の限界で斜面変化があるとアウトか。

 選択肢は少ない。砂防ダムと緑化事業用の工事用に作られた作業道をルートに進行。大型車が通れるような立派な道だが、雪の無い法面は大きくえぐれている所もあり時おり小石が落ちてくる。パチッと落石特有の音に身が引き締まる思い。小規模のデブリや大量のスノーボールが道を埋める部分もあるが、道幅にも助けられて通過はスムーズ。

 道は大きくジグを切るので高度を上げるペースは遅い。次第に大倉川の眺めが良くなり大崩沢のシュートも目前に大きい。すでに雪は落ちていて山肌が露出していた。見上げる斜面はとても急峻に見えた。雪が無ければ諦めも早い。下部では護岸工事と砂防ダムが設置されていたが、工事もかなりの危険が伴うと思う。多額の資金と人を投入してまでするべき工事なのだろうか。

 道の上部、大きく道がカーブする辺りから1320b小ピーク方向へと伸びる尾根の斜面に取り付いてみる。雪が比較適安定している事もあり、直登気味に結構登れる。小ピークの手前で尾根に乗ると例のシュートも良く見える。上から見ると雪さえあれば滑れそうに見えるのも不思議。帰りのルート取りをどうするかが問題。周囲を観察しながら歩く。8時45分、1320小ピークを通過して鞍部への下り。雪面が風で荒れていたので端の方を通過したら足元から雪庇が崩れていった。傾斜もあるのでツボでサクサクと降りる事に。

 板を付けるついでに鞍部で一休み。安達太良の眺めが良い。気温が高いせいか体力の消耗を感じる。持ってきたパンをあらかた食べてしまった。予定より長めに休んでから再度シールで歩き出す。1346三角点ピークを過ぎれば緩いアップダウンと平坦な広い尾根の歩きが長い。大崩のシュート上の尾根は平坦な雪原状となっていた。ブナ林の歩きが続く。リスが様子を窺いながらゆっくりと逃げて行った。カモシカ風の大きなサルも約一匹。

 ラッセルは無いのだが雪の抵抗が重い。ダンゴはシールに付いたり剥がれたり。シールが新しいせいかダンゴも付き難いのか。雪質はスラッシュ状に近い。ダンゴが付くとすぐに落ちるのだが、そのうちに付いたり剥がれたりで常時付いているのと変わりは無くなる。足取りが重い。少し歩いては立ち止まりの繰り返し。疲れもあり雪面に引っくり返る。少し休むつもりが、陽射しが心地よくついウトウトと昼寝。南の方からは低い雲が広がりつつある。

 気温は12度。重い雪と高温が今回の最大のハードルか。テルモスのお湯も少ない。雪を食べてからお湯を一口。雪を食べると喉が妙に渇く時があるので。シールにワックスを塗り、雪で顔を冷やして歩き出す。大休止となってしまったが、まあ気楽に行きましょうや。傾斜が緩くなってくれば山頂は近い。11時40分、中吾妻山山頂。

 眺めを楽しんでから滑降の準備。付近は風があり心地良い。履いてきたブーツのソール長が少し短いので調整を試みるが、手持ちのツールでは調整ネジを回せない。後の金具の爪の引っ掛かりが甘いので、前の金具をロックしてみた。普段よりも慎重な滑りが肝要です。

 地図上では山頂から浅い沢形が落ちているが、実際には思ったよりもスキー向きの斜面で傾斜も手頃と言える。雪質もあり板の走りは今ひとつだが、谷地平を目印に気持ちよくクルージングできる。沢筋の右岸側を滑り、樹間が狭くなってきた辺りで沢形に入り下る。吾妻全般に言えるが1600b付近までは割と快適。

 1560bで板は止まり、ここでストップ。大倉川への落ち込みまではもう少しだが、あまり気も向かんし。12時10分、シールで山頂へと歩き出す。斜面の向きのせいか今の所はダンゴの付きは無い。傾斜が出てきたのでジグを切りつつ登り、片足のフリクションが抜けて後退したとたん足が攣ってしまった。痛みが無くなるまでしばし制止。大分前に肉離れで痛めた箇所だ。

 今度はペースを意識的に落とす心がけで歩き出す。悪化してしまうと大変だし。途中からトラバースでも良かったが、結局山頂まで戻り滑降準備。13時35分、滑り出す。雪は重いが、板の長さと軽さもありあまり気にはならない。次第に斜度も緩み。板が止まった所で板を脱ぐ。

 ツボでもあまり潜らないので歩いてみる事にする。板は束ねてザックのショルダーベルトに通せば背負う事も無いが、これは板が軽量なればの事。片手で板は保持する。雪は締まっている所もあればズボる所もある、やはりシールにすればと思いつつ緩い小ピークを越えて行く。息が上がる。尾根上から早めに大倉川へと滑り落ちるのも可能だろうが、ここは予定通りに1346三角点ピークへ。

 全身汗だくで1346三角点ピーク、14時40分。予定より遅れているので休まずに滑降準備。この先何があるか判らないし。目の前の雪庇の切れ目から斜面に入る。直に樹林の中の急傾斜となる。左右の横滑りで木々の間を抜けて行く。足元から雪が大きくスライドして落ちて行く。この板は太い割に深雪よりもゲレンデ滑走向きで、コントロール性と走りも良く好みの一台。この様な状況でも信頼性は高い。鞍部から落ちる沢形はミニシュート状で古いデブリも堆積しているが、オープンであり滑り易いのも確か。ターンと横滑りで下降。作業道の法面の雪付が問題だがここも無事クリア。

 大崩沢右岸を滑れば下まで降りる事も可能だろうが確信は無い。砂防ダムや雪の切れ目もあるし。取り合えず右岸の快適な斜面を降り、次の車道に出合う所から作業道に入る。往路の道は傾斜が無く推進が長い。その先のへアピンカーブから道と別れて支尾根に入り下降。今回の最大傾斜となる。林間の中には美味しそうなシュートが落ちていたが、そうは世の中甘くないと警戒。木がまともに生えいているのが不思議な程の斜面を降りて再度道に出る。道脇には水流が出ていたので、板を脱ぎ沢水を頂く。汚れも無く美味しい水だった。

 後は平坦な大倉川右岸林道の歩きが長い。ストックを伸ばし靴のバックルを緩めて推進と歩きで進行。靴はもともと足首のホールドがゆるゆるで、滑走モードでもテレ並みに前後に足を開く事ができる。滑りにさして支障が無いのは後傾時のブーツのサポート性にあるとも思う。

 暫らく振りに未知の斜面の滑降を楽しむ事ができた。今回は対照的な二つの斜面の滑降に尽きる。淡い疲労感と満足感と共にクロカンで板を走らせて出発地点へと戻った、15時50分