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 2004年 山スキーの記録
yamayama.s.

 4月9日 障子ヶ岳 中先沢                                      

 昨年、障子ヶ岳山頂よりの滑降を計画したが強風とアイスバーンの稜線で山頂を諦め、粟畑より砂吹立沢を下降した。障子ヶ岳東面に広がるスラブ帯は素晴らしく滑降意欲をそそる。

 山頂には中先沢と砂吹立沢右沢の二本の沢が突き上げ滑降ルートとなる、中間に落ちる尾根は滑降には不向き。今回の滑降ルートは中先沢を選択したが、ルート下部の核心と思われる部分が支尾根に隠れて未確認なのが気になる。

 【日程】 4月9日 天候:晴れ
 【山域】 朝日連峰 障子ヶ岳
 【ルート】 大井沢→障子ヶ岳→中先沢→大井沢
 【マテリアル】 板:TRABシンテシ180+ディアミール
          靴:ノルディカ TR9

 7時50分、前回同様に林道の除雪終了地点に車を置いてシール歩行を開始、20分程でバカ平の登山口に着く。6日に付けた微かなトレース以外に踏み跡はなく、わずかに積もった新雪を踏みしめて順調に登高。竜ヶ池を越して尾根に上がると風が強い、昨年の事を思い出しながらも先を急ぐ。

 11時45分、粟畑山頂。山頂付近の積雪は比較的安定していて大規模な雪崩の発生はない様だが、稜線の雪庇は落ちきってはなく不安定。何より風が強烈で、もう戻ろうかの気分です。とりあえず山頂までは・・・。

 山頂直下までスキーで進むが何度か踏み抜きをやって足がつりそう、地雷原を歩く気分ですう。最後の1ピッチで板を担ぐとますます風に煽られ四足前進。砂吹立沢側の斜面も一定の傾斜で落ち良さそうだが、直下からの雪崩は強烈で雪質に注意です。

 13時15分、障子ヶ岳山頂。中先沢側の斜面を偵察、雪質は締まっていて悪くはない様だが下部のノド状の落ち込みの部分は確認できない、岩が出ていたら厄介なことになる。飛び込むかどうか雪庇の上でしばし悩む、周回ルートも悪くはないがここは飛び込むしかないか。一発吼えて気合を入れる。

 今回は事前にロープ60Mとスリング各種、アイススクリューとデッドマン、ハーケンとアルミペグ、何時も持参のアイスバイルとこれだけ装備があれば何とかなるでしょう。装備が多いと準備も時間が掛かります。

 13時40分、ドロップイン。滑り出しはそれ程でも無いがすぐに傾斜がきつくなる、雪質は固いクラストで完全な最中。板が引っかかりコケそうになるがコケてもこの雪質なら滑落は無いでしょう。1ターン毎にピッチを切り慎重に高度を下げて核心部に吸い込まれていく。

 傾斜も増してくると岩やブッシュが出てきた、最悪はそれで支点を取れるだろう、少し気楽になる。見上げると雪庇の崩落による走路が怪しくひかりスラブの斜面が波打っている、素晴らしい眺めだ。風が谷底から優しく吹き上げてくる。

 左側の走路をルートに取り下降、最大斜度となり露岩で幅も狭くなって横滑りで下る。雪が重い。板が暴れるのをこらえて無事に通過できたが所々雪が割れ始め水流の音がしてた。この付近は傾斜のある滑滝があるあたりだろう、ほとんど隠れているが積雪もすごい量だ。

 自身の落とした流雪がチリ雪崩の様にまだ落ちてくる、少し下って安全地帯で一息入れる。まだソコソコの傾斜がある沢床をロングターンで飛ばすがデブリで荒れてきて側壁に逃げながらの下降となる。700M二俣の手前でデブリ通過に板を脱ぎ二俣に出て下降を終了、14時30分

 この周辺は日本離れした景観でいい雰囲気です、きてよかった。左岸の30M滝を眺めながら板にシールを貼り登高の準備、昨年の地獄のデブリ帯の雰囲気は無いが時期が少し早いせいか。

 竜ヶ池の上、1225Mピークを目指し砂クボ沢をルートに取る。尾根への取り付きは一見やさしそうに見えるがそうでもない、沢筋のほうがある意味安全かも。500M少々の登り返しにガンバル。

 上部の方はまた風が強く時々突風が来る、と思っていたらいきなり爆風クラスのが来て3M位下に飛ばされた。顔がヒリヒリと痛い、朝日の天狗の仕業か。時々ブナ林の中を轟音とともに下り去っていく。やっかいだ。尾根上1225Mピーク、16時10分

 すぐに下降を開始、何回か通過してるルートなので油断したのか焼峰付近で支尾根に迷い込みよっぱら下ってからミスに気がつく、斜滑降は失敗の元かな。尾根上の獣道を汗をかきながら登り返し往路に戻る。その後は順調に下り、日没の障子ヶ岳を見ながら出発地点に戻る。17時40分




最大斜度部分は横滑りで通過 雪崩が集中する箇所

       傾斜の落ちた沢床から核心方向

滑降終了点の700M二俣が見えてきた ブロックが散乱

       7月の中先沢、中央が滑降ルート

焼峰付近からの障子ヶ岳 滑降ルートの下部は?

1225Mピーク付近 中先沢700M二俣が見える

粟畑から見た障子ヶ岳

以東岳と6日に下降した夏道のある尾根、中央

山頂直下から粟畑方向

やっと着いた山頂、バックは以東岳

中先沢源頭の大斜面、下部の核心は未確認

エントリーポイントで滑降準備OK  気温は3度

山頂直下でパチリ これからがお楽しみ

中間部を過ぎて斜度も増してくる


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