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.ルート図
 2003年 山スキーの記録
yamayama.s.
           
しぎはらの山々日誌

< 餅井戸沢より浅草岳 >
3月18日

 浅草岳の南面と大久保沢周辺の偵察を兼ねて、餅井戸沢をルートに行ってみた。

 7時、入叶津より出発。平坦な餅井戸沢左岸をシールで進む。もかけ沢出合いより沢幅は狭くなるが、安定したスノーブリッジが続くようになる。尾根にルートを取りたい所だが、クラックが無数に入った悪相のスラブが連なり近寄りがたい。とにかく行ける所までと思い、起状のある沢床をひたすら上流へと目指す。

768M二俣近く 蒲生岳が見えた

768m二股付近より沢は雪で埋まり、スプーンカット状になる。谷はV字形となるが、雪質は安定しているのかデブリは少ない。やがて850m付近で15m程の滝に出合う。直登は難しいので右岸の尾根にルートを求める。


850M付近での高さ15M程の雪壁 尾根上993M小ピーク前進は困難

 10時30分、尾根993m小ピーク。目前の尾根は急登となり、クラックが走り前進はできそうにもない。眼下の餅井戸沢の状態が良く、ルートとして使えそうなのでシールを一旦はずし、沢へと斜滑降で滑り降りる。
次第に晴れ間が広がり、山頂付近の雪庇や源頭部の様子を確認する事ができた。この先に難しい所はないが、右岸の尾根には雪庇が続いている。沢ルートの方が登高しやすいので沢形を登る事にする。大きなブロックが転がるデブリ末端に出合う頃には沢も開け走路を避けるようにキックターンの連続で高度を上げる。

山頂方向、一旦沢に降りる デブリを避けて山頂へ

1450m付近で大久保沢の偵察をしようと尾根に上がるが、核深部は確認できなかった。天候は徐々に風雪となり視界もなくなる。クラックが隠れている尾根を登り、雪庇の近くでアイゼンとピッケルに切替える。手探りで山頂近くの稜線に這い上がる。下降ポイントを失う可能性もあり、山頂を諦め雪庇の下へと逃げ込む。

 13時30分、山頂付近。スキーを付けて餅井戸沢源頭部へとトラバースする。雪庇の下より続く大斜面は、積もった雪がほとんど落ちた氷のスラブと化していた。ペダルターンで1ターン毎に下降する単調な作業を繰り返す。
高度を下げても遠近感のないモノトーンの世界は変わらず、低速ターンの連続で高巻いた滝上に出る。登りの時に確認していた右岸の側壁より飛び込む。V字形の谷底を急いで通過し、開けた沢の緩斜面を入叶津へと板を滑らせる。

 15時30分、出発地点に戻る。

雪庇の下で滑降準備 起伏のある沢床


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